2019年10月17日木曜日

WSET Level 4に必要な英語力について

かなり前にWSET Level 3の取得のために必要な英語力について書きましたが、今回は特に Level 4 Diploma in Wine and Spiritについて書いてみます。

英語力はDiplomaを目指す方の多くが気になる点だと思います。
あくまで私個人の主観ですが、以下の様な力が必要だと感じます。


【Diploma取得に必要な英語力】
1. 栽培 / 醸造 / 保存 / 流通などの内容を読み解けるだけの読解力。

2. (最初は特に)日々遭遇する未知の英単語を習得できるだけの柔軟性のある記憶力

3. 積極的に書籍やインターネットを駆使して情報を入手し取捨選択するための総合的な運用力

4. 読み解いた内容を自分なりの言葉で論述するための文章構成力


さらに以下が身につくと合格は近いと思います。


5. あらゆるワインに関する英文を早く理解する、また早く要点をおさえる力

6. 試験問題の裏を読む力
(これについてはもはや英語の問題ではない部分もあると思います。)

特に6については試験に出題された問題を深く理解し、そこからWSETがどんな議論を求めているのかを想像する力が必要になります。

1については、仮にDiplomaの内容を全て網羅する日本語の情報源があれば必ずしも必要ではないかもしれません。インプットを全て日本語で行えば良いので。
ただしそういうものが存在したとしても一般人が入手できるようなものではないでしょう。


当たり前のことですが、Diplomaは英語の運用力を試す試験ではありません。

いかにワインの製造 / 流通 / 販売等における要点を押さえられるかが問われる試験です。

最初は難しいかとは思いますが、なるだけ早く5と6を意識して学習できる様になると良いと思います。


以下は私個人の経験を振り返った感想です。


【Diplomaを修了した後の感想】
1. JSAワインエキスパートのレベルの知識だけでは全く太刀打ちできない。

2. わからない事をわからないなりに調べて考えて、知識や考え方を深めていく姿勢が不可欠。

3. 英語に自信が無くかつ栽培や醸造の知識もない場合、最初にそれらの分野について日本語で書かれた本を読んだ方が良いかもしれません。
 (文系で通してきた場合は特にこの点は抜かりなく!)

4. いかに吸収した知識に基づき議論を組み立てられるか、がキモです。

5. 難易度が高いこともあり、修了できた時の達成感は強い?

6. (念のために申し上げるのですが)どんなに英語が得意でも、ワインを愛していなければ合格は難しいと思います。

※注意点:2019年からは試験内容・方式に変更点があるため、回答の際に求められるものは多少変わるかもしれません。