2020年3月11日水曜日

アルザス ワインの旅 二軒目 (Domaine Muré) について語るその前に

 Schoenheitzにに続き2件目に訪問したワイナリーが Domaine Muréです。

日本ではまだ知名度はさほど高くないのかもしれませんが、個人的に注目していた生産者です。


なぜこのワイナリーに行ったのか?? 
こちらもSchoenheitzと同じくピノ・ノワールのワインが高く評価されています。個人的にはアルザスのピノ・ノワールについても見識を深めたかったため、評価の高い生産者を訪問したいと思いました。


なぜそんなにピノ・ノワールに煩いのか?
数あるワイナリーの中からこのワイナリーを選んだ理由を説明する前に少しアルザスワインの全体の傾向について説明します。
生産者の数や栽培面積などのデータをおさらいします。

直近10年間でアルザスのワイン産業はどのように変化したのでしょう?
その変化からどんなことが言えそうか?
旅に出る前にはこのような点にについてある程度明確な問題意識を持っていた方が良いと思います。

まずは生産者数栽培面積を見てみましょう。


【生産者数と合計栽培面積の変動】


面積はあまり変化していませんが、生産者数は激減ですね。結構な変化だと言えるでしょう。

続いては栽培面積についてもうすこし突っ込んだ数値を見てみましょう。


【呼称別栽培面積】

【品種別栽培面積】

呼称別ではグラン・クリュ(GC)とクレマンが増加しています
品種別ではシルヴァーナーが激減ピノ・ノワールが増加しました。

では続いてワインの生産量です。


【品種別ワインの生産量】

軒並み減少しましたが、ピノ・グリとピノ・ノワールはほぼ増減なしです。
(2017年は諸々の事情のため特に生産量が少なかったビンテージであることにご留意ください!
そしてそのような年には特にゲヴェルツトラミネールがひときわ極端に減りがちです。)

つまり、生産量を基準に考えるとピノ。グリとピノ・ノワールははアルザスワイン全体が縮小する中で重要性が高まっていると言えそうです

その中でもピノ・ノワールは栽培面積が比較的大きく伸びているのに、生産量は微増にとどまっている。
つまり低収量化していることがわかります。栽培面積が増えているので、生産者が力を注いでいる品種だとも言えそうです。
(この辺りの解釈は読んでくれる方にお任せいたします。)


【参照】
1. Typologie du vignoble alsacien. Conseil Interprofessionnel Des Vins d’Alsace.
Accessed on 8 Mar 2020.

2. Production 2017 du vignoble alsacien. Conseil Interprofessionnel Des Vins d’Alsace. 
Accessed on 8 Mar 2020.

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