2019年11月14日木曜日

[Eng] Alamos Torrontés 2018, 13.5%, Salta

[Appearance]
Nearly limpid with a slight lemony and greenish hue. Bright.

[Aroma]
Highly aromatic with many scents that are seemingly derived from a grape variety used. Suggesting use of a aromatic variety. 
Richness of ripe apple and pear well-counterbalanced by fresh muscat of vibrant acidity. When served in a cool temperature, fresh herbs(lemongrass, apple mint, rosemary) can also be felt. Faint scents of tropical fruit(pineapple mint, rlychee) appear as the liquid warms up. Seemingly no oakiness. 
Primary aromas predominate while secondary/tertiary character is very limited. Although it might be a simple wine, it has a number of enjoyable varietal expressions derived from the grape used.

[Palate]
Impressive attack with vibrant acidity. It keeps fairly high acidity. Dry. The alcoholic sensation becomes noticeable as the liquid temperature rises. Slightly high in alcohol for a white wine. Light in bodyness. 
Compared to when aromas were observed, citrus fruits(lemon, lime) and once-faint tropical fruits get clearly detected. Subtle aftertaste of bitterness reminiscent of brine.

[Afterthought]
Pronounced intensity of varietal expressions, possibly enhanced by some production methods that amplify those such characteristics.
Rise of the temperature greatly change the impression the wine gives. Warming temperatures progressively reveal more fresh herbs. The nature of the herbs is relatively vivid akin to those of rosemary and lemongrass.

I would like to pair it with simple dishes such as carpaccio or a green salad. 


[Reference]
Torrontés, Alamos Wine [online] Available at http://www.alamoswinesus.com/
Accessed on 14/11/2019.


Alamos Torrontés 2018, 13.5%

【外観】
無色透明に近い。わずかに緑みがあるレモン色。
透明性があり輝きがある。

【香り】
品種由来かと思われる香りがすぐに感じられ、香りの強さは強い。アロマティック品種の使用を連想させる。
熟したリンゴ、花梨に加え完熟前の白ぶどうのような溌剌さもある。温度が低いうちは特にフレッシュハーブの要素(レモングラス、アップルミント、ローズマリー)が感じられる。温度が上がってくると少しだけ南国風の要素(パイナップルミント、ライチ)もあるかと思う。
オークのニュアンスは感じ取れない。全体的に品種由来と思われる香りが支配的で醸造・熟成による香りは控えめ。その点でシンプルである一方で品種の個性を楽しむことができる。

【味わい】
最初は溌剌とした酸味が印象的。酸味はやや強い。辛口。アルコールは温度が上がるにつれて存在感を増す。白ワインにしては少し度数が高い。舌の上ではサラサラと流れて口あたりは軽やか。
味わいの要素としては酸の強い柑橘類(レモン、ライム)のほか、香りの時点では限定的だったライチがより明確に現れる。非常にわずかだがにがりのようなニュアンスもある。

【事後の考察】
ぶどう由来の特徴が強い。このようになるための製造方法を取っているように思われる。
温度が上がるにつれて印象は大きく異なる。フレッシュハーブの印象も強くなる。割と刺激性のあるローズマリーやレモングラス。

カルパッチョやフレッシュサラダなどの軽やかでシンプルな料理と一緒に頂きたい。

【参照】
Torrontés, Alamos Wine [online] Available at http://www.alamoswinesus.com/
Accessed on 14/11/2019.



2019年11月11日月曜日

[Eng] Transparenza 2018, Pinot Blanc, Punto Zero, Vicenza Veneto Italy

Appearance
It is pale yellow with a slightly greenish hue.  No signs of bubbles occuring on the surface of glass.

Aroma
It is modest in intensity evoking a rather gentle sensation.
Aromas firstly caught are oveall delicate in nature and include green apple, freshly cut herbs(especially those without assertiveness and pungency such as sweet balm and thyme). Seemingly made predominantly from a flavour-neutral variety. No signs suggest heavy use of either fermentation/maturation with oak or Malo-lactic conversion both of which complement the aromatic neutrality.

Flavour
It is a delicate wine. It has a a fair level of acidity which might be taken a bit stronger in relative to other structural components. The acid sensation enhances the freshness of the wine. It has a slightly low level of alcohol. Very dry suggesting a low amount of residual sugar. 
Low in body possibly due to the interplay of the delicate flavour, low alcohol and relatively higher acidity. Not a disadvantage of the wine.
Lean and slim with flavours of delicacy and elegance. A gentle sensation of green apple, muscat and fresh herbs appears first. Following is subtle savoryness and delicate salinity.

Recommendation
This might a good option for those who seek gentleness and delicate flavour. Especially good for those fed up with tiring wines with so-called fruit bomb or overt oakiness. No aroma/flavour components stand apart giving the impression that it is well-crafted with all under the producer’s control. The name “Transparenza” Italian for “transparency” alludes to his/her intention.
Not recommended for those looking for extravagant richness/weight of ripe fruit.

I think it pairs well with some kinds of sushi(especially those of white fleshed fish). Salt-grilled Ayu seasonsed with Sudachi lime is another possible partner for marriage. Pairing with heavily flavoured dishes most likely make it hard to appreciate the gentleness and delicacy of the wine..

Considering the gentle flavour, this wine might not be positively evaluated by especially those looking for distinctive characters of a variety used or a typicity unique to a production region. Seemingly good for occasions where solace is needed to help one come out of depression.


【Reference】
Trasparenza, Punto Zero [online] Available at https://www.puntozerowine.it/
(Accessed on 6/11/2019)

2019年11月6日水曜日

Transparenza 2018, Pinot Blanc, Punto Zero, Vicenza Veneto Italy

【外観】
淡い緑がかった黄色。透明に近い。グラスに泡がつく気配はない。

【香り】
強さとしては中程度。優しさが感じられる香り。
香りの要素はどれも繊細。青リンゴ、フレッシュハーブ(刺激性が少ないバームやタイム)。ニュートラルな品種であるように感じるが、そこに無理して樽やMLFでもって香りを補っている感じはしない。

【味わい】
繊細。酸は中程度もしくは少しだけ高く感じる。他の要素を比較すると相対的に強い。全体的にフレッシュな印象を強める。アルコール感はやや低い。残糖はほとんど感じられない。味わいの繊細さと低いアルコール感、相対的に高い酸が相まってボディ感は低く感じる(決して悪いわけではない)。
味わいの正確も繊細でまろやか。かつ余分なものがなく削ぎ落とされている。最初は丸みのある青リンゴ、マスカットやフレッシュハーブが前にでる。後になるとかすかに旨みや塩っけを感じられる。


【こういう人にお勧めです】
ワインを飲み尽くして少し優しさや繊細さを感じたい方にお勧めです。味わいも香りも行き過ぎた要素がなく、均衡がとれた綺麗な味わいです。
ワインにはやっぱり爆弾のような果実味を期待する、という方には是非試飲を見送って頂きたい。違う気分になった時にお願い致します。

個人的には寿司(特に白身魚)と一緒に頂いてみたい。合わせる料理の香りが強い場合だとこのワインの個性が感じ取れない可能性があると思います。

なかなか評価されにくいスタイルかもしれませんが、少し疲れた時や気分を落ち着かせたいタイミングには良いかと思います。
開けた後に時間が立つと様子が変わる可能性はあるかと思います。

【参考情報】
Trasparenza, Punto Zero [online] Available at https://www.puntozerowine.it/
(Accessed on 6/11/2019)


2019年10月17日木曜日

WSET Level 4に必要な英語力について

かなり前にWSET Level 3の取得のために必要な英語力について書きましたが、今回は特に Level 4 Diploma in Wine and Spiritについて書いてみます。

英語力はDiplomaを目指す方の多くが気になる点だと思います。
あくまで私個人の主観ですが、以下の様な力が必要だと感じます。


【Diploma取得に必要な英語力】
1. 栽培 / 醸造 / 保存 / 流通などの内容を読み解けるだけの読解力。

2. (最初は特に)日々遭遇する未知の英単語を習得できるだけの柔軟性のある記憶力

3. 積極的に書籍やインターネットを駆使して情報を入手し取捨選択するための総合的な運用力

4. 読み解いた内容を自分なりの言葉で論述するための文章構成力


さらに以下が身につくと合格は近いと思います。


5. あらゆるワインに関する英文を早く理解する、また早く要点をおさえる力

6. 試験問題の裏を読む力
(これについてはもはや英語の問題ではない部分もあると思います。)

特に6については試験に出題された問題を深く理解し、そこからWSETがどんな議論を求めているのかを想像する力が必要になります。

1については、仮にDiplomaの内容を全て網羅する日本語の情報源があれば必ずしも必要ではないかもしれません。インプットを全て日本語で行えば良いので。
ただしそういうものが存在したとしても一般人が入手できるようなものではないでしょう。


当たり前のことですが、Diplomaは英語の運用力を試す試験ではありません。

いかにワインの製造 / 流通 / 販売等における要点を押さえられるかが問われる試験です。

最初は難しいかとは思いますが、なるだけ早く5と6を意識して学習できる様になると良いと思います。


以下は私個人の経験を振り返った感想です。


【Diplomaを修了した後の感想】
1. JSAワインエキスパートのレベルの知識だけでは全く太刀打ちできない。

2. わからない事をわからないなりに調べて考えて、知識や考え方を深めていく姿勢が不可欠。

3. 英語に自信が無くかつ栽培や醸造の知識もない場合、最初にそれらの分野について日本語で書かれた本を読んだ方が良いかもしれません。
 (文系で通してきた場合は特にこの点は抜かりなく!)

4. いかに吸収した知識に基づき議論を組み立てられるか、がキモです。

5. 難易度が高いこともあり、修了できた時の達成感は強い?

6. (念のために申し上げるのですが)どんなに英語が得意でも、ワインを愛していなければ合格は難しいと思います。

※注意点:2019年からは試験内容・方式に変更点があるため、回答の際に求められるものは多少変わるかもしれません。




2019年9月18日水曜日

ワインに関する情報源についてー雑誌編ー

WSET Diplomaを修了できる見込みとなりました。

これまでの勉強法のまとめも兼ねて勉強してきた中で「使えるな」と思った情報源をいくつか挙げてみます。

今回はいわゆるワイン情報誌と呼ばれるものに絞ってご紹介します。

どの情報源が合うかは読み手によって異なると思います。

理解しやすく、かつ信頼性がある情報源を見つけて頂く一助になれば良いのですが…

今回はWSET Diplomaの対策用ですので、言語は全て英語となります。



【おすすめのワイン情報誌】
① Decanter
取り上げられる話題の幅が広く、かつどの記事もワインを熟知している人間によって書かれている気がします。
記事の特徴について言えば分析力と洞察力を感じられるものが多いです。
とくにJefford on MondayAnson on Thursdayのシリーズは非常に質が高いと思います。

② The Buyer
個人的には非常におすすめです。ただ私以外の人が勧められるのを聞いたことがない(汗
Decanterよりもトレード内部の人の意見に迫ることができる情報源です。
少し欧米の産地や市場に関する情報に集中している気がします。
MWの記事は特に貴重な情報源です。

北米系の産地に明るい情報誌です。もちろんそれ以外の産地についても詳しい記事はあります。
世界のレストランのランキングを発表しているので、世界規模でカッコいい粋な店を回りたい人には良いでしょう。

名前の通りワイン以外の記事も充実しています。
ワイン以外の飲み物全般を対象にリサーチする際には特におススメです。
業界のニュースをいち早く知れせてくれます。分析を交えて批評するというよりはスピード重視を重視したニュース記事に近いものが多いと思います。
もし蒸留酒を専門に勉強するのであれば The Spirits Businessも良いと思います。

蒸留酒(ラム、ジン、ウィスキー等)に非常に強い情報源です。
WSET Diploma in Wineから受験される方はひょっとすると使う必要はないかも知れません。
The Millionaires’s ClubWorld WhiskiesRum SupplementAnnual Brands Report等は無料で入手可能な唯一無二の情報源です。


ここまでが私が頻繁に参照した情報源です。
以下はこれからは特に重要になる可能性があるものです。


Decanterと同系列のようです。中国全土のワインの説明があることが強みです。
中国の生産地が与える影響力が大きくなるとより重要な情報源になると思います。


これらの他にも Jancis Robinson.comHarper は割と受験生から人気が高いのではないかと思います。
私はなぜかほとんど読みませんでした。
Jancis Robinson.com は登録すると Oxford Companion to Wine の電子版にアクセスできます。ウェブの記事も詳しいのでしょうが、これこそ雰囲気が合わなかったしか思えません。

逆に私が有料登録したのはDecanter Premiumです。世界のどの地域についてもバランス良く網羅されている気がしたためです。

The New York TimesThe Guardian などの新聞を基軸とした情報源はやはり記事が追加される頻度と情報の蓄積量で劣ります。
たまに「良いな」と思える記事はありますが、有料登録をするには(ワインに関しては)得られるものが少ないかもしれません。
ワインだけでなく英語の書き方も勉強したいという場合は、個人的には NYTをお勧めします。

ワイン情報誌以外にも有益な情報源はたくさんあります。
生産者協会のサイトや機関(OIV、INAO)…etc です。時間がない人には移動中にも聴けるポッドキャストも役にたつと思います。
それらについてはまた別の機会に書いてみます。

2019年7月24日水曜日

Clos des Fous Würm 2013

ごく個人的ではありますが、凄く良いワインを飲むことができたためそれについて書いてみます。

 チリで高品質ワインを生産している Clos de Fousという生産者がいます。

以前にもシャルドネとカベルネ・そーヴィニョンのワインを飲んだことがあり、レベルが高いメーカーだなと思っていました。

今回新たに飲んだワインはその生産者が手がけた Würm 2013 というものです。

美味しいか美味しくないかという次元を超えて、感覚に訴えるような優美さがあったようにすら感じました。

ごく私的ではありますが、忘備録も兼ねて書き記しておきます。

Würm というキュベに関する情報は少ないため、生産者情報についてが主となります。

【Clos des Fous】 
2008年に設立された新興のワイナリーです。

バランスと地域の個性を最大限に発揮するワインを製造することを重視しています。

チリの複数の地域にぶどうの木が育つのに限界とも言える場所を探し出し、そこで収穫されるぶどうから類い稀なワインを製造しています。

感慨も行わないことに重きを置いており、その点ではヨーロッパの銘醸地と同じです。

栽培地域は高度が1,000mを超える高地から海の冷涼な影響を受ける海岸地域まで非常に多彩です。

どの地域でも高品質なぶどうの栽培に最適と思われる場所を探し出し、最適な品種・クローンを植えることで明確な個性のあるワインを生み出しているようです。

シャルドネもこれがチリのワインかと思えるほど煌びやかですが、ピノ・ノワールやカベルネも誠に優秀です。

特に今回飲んだものは Würm 2013というキュベで、度肝を抜く品質のワインでした。

かつて新世界のワインに多かった行き過ぎたアルコール感や熟れきった果実味といった感は皆無で、酸味やタンニンののバランスが秀悦でした。

それだけでは単なる優秀なワインとなるかもしれませが、個人的にはそれ以上に魔法のような味わいの奥行きがあったようにさえ感じました。

飲んだ瞬間に香りが立ち、味わいも当然いいのですが、味覚どうこうではなく頭に直接訴えてくるような感覚を楽しめました。
(当然ですが、この部分はこれ以上ないくらい主観的です。)

【参考】
Clos des Fous. PEDROPARRACHILE. Available at https://pedroparrachile.wordpress.com/
Accessed on 24 July 2019.

Clos de Fous, The Wine Society. Available at https://www.thewinesociety.com/
Accessed on 24 July 2019.

Clos des Fous. Liberty wines. Available at https://www.libertywines.co.uk/
Accessed on 24 July 2019.


2019年7月23日火曜日

ワインの輸入状況について②

前回は日本のワインの輸入数量・金額の推移を調べました。

今回はどの国からどのくらいの数量・金額を輸入しているのか調べてみます。
(今回も前回と同じく、調べる対象は2L以下の容器に入った状態で輸入されたワインです。)


2018
数量 (L)
比率
金額 (千円)
比率
平均単価 (/L)
チリ
51,415,532
30.9%
16,262,848
15.1%
316.3
フランス
42,203,013
25.4%
45,453,313
42.3%
1,077.0
イタリア
30,237,350
18.2%
16,869,758
15.7%
557.9
スペイン
17,521,383
10.5%
5,797,438
5.4%
330.9
アメリカ合衆国
7,174,766
4.3%
12,793,243
11.9%
1,783.1
オーストラリア
6,856,308
4.1%
3,157,321
2.9%
460.5
ドイツ
2,402,210
1.4%
1,592,010
1.5%
662.7
南アフリカ共和国
2,076,301
1.2%
1,107,372
1.0%
533.3
アルゼンチン
2,002,571
1.2%
1,095,037
1.0%
546.8
ポルトガル
1,286,895
0.8%
522,788
0.5%
406.2
合計
166,380,690

107,461,500

645.9
(貿易統計 国別品別表のデータを基に作成)


この表の上位にランクインしている国のワインは日本人から指示されていると言えそうです。

これを中国の状況と比較してみます。



2018
数量 (million litres)
比率
金額 (million USD)
比率
平均単価 (USD/L)
フランス
173.83
25.3%
1,058
37.1%
6.1
オーストラリア
119.3
17.4%
723.25
25.4%
6.1
チリ
74.67
10.9%
269.7
9.5%
3.6
イタリア
36.03
5.2%
168.4
5.9%
4.7
スペイン
61.2
8.9%
162.1
5.7%
2.6
アメリカ
12.8
1.9%
75.5
2.6%
5.9
南アフリカ
9.8
1.4%
32.9
1.2%
3.4
ニュージーランド
2.52
0.4%
28.77
1.0%
11.4
アルゼンチン
5.23
0.8%
26.18
0.9%
5.0
ドイツ
5.17
0.8%
25.8
0.9%
5.0
合計
687.5

2,850

4.1
The Drink Business のデータを基に作成)



中国の市場規模が大きい事に驚かされます。
輸入量は日本の約4倍。すでに数量よりも金額の伸びが大きいという量よりも品質を重視した動きが進んでいます。

フランスは日本・中国のどちらでもシェアが高いのですが、オーストラリアのシェアでは明確な格差があります。
日本の豪州ワインの輸入数量が 6.9 million Lであるのに対して、中国では 119.3 million Lです。
また中国での同国のシェアは 17.4%です。

国が違えばワインを取り巻く環境が変わり、流行るワインもそれに応じて変化するということがわかります。

市場が成熟する過程で消費者の嗜好が変われば求められるワインの価格帯も変わっていきます。

高品質のワインがもてはやされる中、廉価であまり個性がないワインは劣勢に立たされているのでしょうか?

仮にそうであれば製造者・栽培農家にどんな影響が生じて、どういう変化が予想されるのか?

次回はそのあたりについて調べれればと思います。

【出典】
貿易統計, http://www.customs.go.jp/toukei/search/futsu1.htm (2019年7月22日 取 得)

Accessed on 23 July 2019.

Accessed on 23 July 2019.

Accessed on 23 July 2019.


2019年7月20日土曜日

ワインの輸入状況について

日本のワインの市場は大きくなっているのか?どうなのか?

気になる方も少なくないのではないでしょうか?

市場規模は生産側から見ればワインを売り込む上で非常に重要な指標ではなかろうかと思います。

今回は貿易統計と使って、そこの点について確認してみます。

ワインの輸入数量が伸びていれば、市場が大きくなっていると考えられます。

(今回は筆者の怠けのため、2L以下の容器に詰められたワインだけを対象として考えます。
また、スパークリングワインや酒精強化ワインは対象に含まれません。)


【ワインの輸入数量について】
1988年以降の日本のワインの輸入量・金額は以下の通りです。
今回は10年毎の数値を抜粋しております。


(以下の数値は目安程度としてお考えください。
必ずしも輸入された全ての数量・金額を含んでいるわけではありません。)




1988
1998
前期比
2008
前期比
2018
前期比
貿易相手国
32カ国
50カ国
156%
48カ国
96%
60カ国
125%
数量 L
46,559,366
242,500,454
521%
118,936,772
49%
166,380,690
140%
金額 (千円)
21,723,169
143,875,693
662%
90,830,547
63%
107,461,500
118%
                                                 (貿易統計 国別品別表のデータを基に作成)


巷のニュースではよくワインの市場は伸びていると報道されています。

たしかに正しいのですが、1998年の時点では現在よりもかなり市場が大きかったと言えます。

1998年と言えば日本の貿易黒字が歴史上最も高くなった年だそうです(1)。

ちなみにバブル景気が終焉した後も家計の出費は1998年まで増加していたようです(2)。

1998年のワインの輸入状況も国内全体の景気と並べて考えれば辻褄が合っていると言えます。



【通関統計を活用したい方への注意事項】
通関統計上の実績には一部の輸入実績が含まれていない可能性ことがあります。
一定の条件に合致した場合は、輸入者の申請によって輸入実績が表示されなくなることがあるためです。
そのため、上記のデータは全体の大まかな流れを反映した概算数値としてご認識ください。



(1)
縄田 康光, 「貿易収支の悪化とその背景」, 『経済のプリズム No132』, 2014年11月, 29頁

(2)
市川 正樹, 「1998年を節目とした日本経済の変貌」,『大和総研調査季報 2013年 春季号 Vol.10』

【出典】
貿易統計, http://www.customs.go.jp/toukei/search/futsu1.htm (2019年7月17日 取 得)