気になる方も少なくないのではないでしょうか?
市場規模は生産側から見ればワインを売り込む上で非常に重要な指標ではなかろうかと思います。
今回は貿易統計と使って、そこの点について確認してみます。
ワインの輸入数量が伸びていれば、市場が大きくなっていると考えられます。
(今回は筆者の怠けのため、2L以下の容器に詰められたワインだけを対象として考えます。
また、スパークリングワインや酒精強化ワインは対象に含まれません。)
【ワインの輸入数量について】
1988年以降の日本のワインの輸入量・金額は以下の通りです。
今回は10年毎の数値を抜粋しております。
(以下の数値は目安程度としてお考えください。
必ずしも輸入された全ての数量・金額を含んでいるわけではありません。)
1988年
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1998年
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前期比
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2008年
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前期比
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2018年
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前期比
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貿易相手国
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32カ国
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50カ国
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156%
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48カ国
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96%
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60カ国
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125%
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数量 (L)
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46,559,366
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242,500,454
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521%
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118,936,772
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49%
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166,380,690
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140%
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金額 (千円)
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21,723,169
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143,875,693
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662%
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90,830,547
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63%
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107,461,500
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118%
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(貿易統計 国別品別表のデータを基に作成)
巷のニュースではよくワインの市場は伸びていると報道されています。
たしかに正しいのですが、1998年の時点では現在よりもかなり市場が大きかったと言えます。
1998年と言えば日本の貿易黒字が歴史上最も高くなった年だそうです(1)。
ちなみにバブル景気が終焉した後も家計の出費は1998年まで増加していたようです(2)。
1998年のワインの輸入状況も国内全体の景気と並べて考えれば辻褄が合っていると言えます。
【通関統計を活用したい方への注意事項】
通関統計上の実績には一部の輸入実績が含まれていない可能性ことがあります。
一定の条件に合致した場合は、輸入者の申請によって輸入実績が表示されなくなることがあるためです。
そのため、上記のデータは全体の大まかな流れを反映した概算数値としてご認識ください。
(1)
縄田 康光, 「貿易収支の悪化とその背景」, 『経済のプリズム No132』, 2014年11月, 29頁
(2)
市川 正樹, 「1998年を節目とした日本経済の変貌」,『大和総研調査季報 2013年 春季号 Vol.10』
【出典】
貿易統計, http://www.customs.go.jp/toukei/search/futsu1.htm (2019年7月17日 取 得)
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