2018年8月26日日曜日

Côte Rôtie

Syrahから高級ワインが作られることで有名な産地です。北ローヌの中でもHermitageと並んで最も評価が高い産地のうちの一つです。

ブドウ畑は基本的に急斜面の上に設置されていてその斜面の勾配は最大で60°にもなります。山登りであれば避けて通りたいくらい急な斜面ですね。畑はローヌ川の右岸(基本的に川の流れる方向を向いて右側が右岸です)に沿って配置されており、川はこの辺りでは南西に蛇行しています。畑は概して南東向きの急斜面の上にあるためブドウの成熟を促すために必要な日射量を確保することができます。もう一つの斜面の利点は北西側が斜面によって守られているため北風からくる気候の影響を受けにいことです。つまりこの土地では栽培するのは大変そうですが、ブドウの品質を向上するためには大変好ましい環境に設けられていると言えます。難点としては斜面の勾配が急なためブドウは段々畑に植えられており機械化は制限されます。また棚田ではない場合には土が流出を避けるために常に畑の維持・管理を継続する必要があります。季節によっては強風が吹くためブドウの木は手作業で二本の支持棒に固定される必要があります。要するに北ローヌ全般にも言えることですが、この地域は大規模生産とは程遠い産地となっています。この背景のためか歴史的には常に盛んに作付けがされてきたわけではなく、最近の畑の増加は1970年以降に急に人気が高まったために起こったと考えて良さそうです。この人気上昇期に決定的な影響を与えた生産者がE. Guigal社です。1965年にLa Moulineという高品質なブドウがとれるとされていた古木の畑を取得し、その後にそこで収穫されたブドウだけを用いて高品質のワインの作りだしました。1969年のLa Moulineはもはや伝説扱いされるほどのワインになっています。ローヌにおいては伝統的に大樽で発酵・熟成を行うことが一般的だったのですが、La Moulineの場合は新樽を用いて42ヶ月も熟成されたワインでありこの点でも当時としては特異な存在でした。その後に1978年のビンテージからLa Landonne、さらに1985年にはLa Tarqueという二つの単一畑のブドウを用いたワインを作り出し、結果的にCôte-Rôtieの名声を高め、さらには栽培規模の拡大の立役者となりました。
毎回ですが、栽培の規模を確認すると以下の通りでした。

【栽培規模】
●栽培面積:308ha(2016年)
●ワイン生産量:12,606hl(2016年)
※全て赤ワインです。ViognierもSyrahにブレンドされ赤ワインとなります。
●収量:41hl/ha

価格が高騰しやすい要素が多い産地です。基本的に花崗岩(Granite)片岩(Schist)が多い土壌ですが、そのなかでも相対的に石灰質の土の比率が多い地区は土の色が明るくCôte Blondeと呼ばれ、反対にそうでない色が茶色に近い土壌の地区はCôte Bruneと呼ばれそれぞれ異なるスタイルのブドウが収穫されます。これらからできる性格が異なるワインをブレンドすることもありますし、白ワインであるVigonier種を混醸することでタンニンを抑えつつ芳香性を強調する試みも行われています。現在ではSyrah種とVigonier種の混醸はあまり行われなくなっていますが、この醸造方法は現在でも北ローヌで続いている独特の製法の一つです。


【参照】
1.
KEY FIGURES. Rhone-wines.com. [online] Available at http://www.rhone-wines.com
Accessed on 25 August 2018.

2.
Accessed on 26 August 2018.

2018年8月9日木曜日

ブルゴーニュ・ワインと香港の関係

香港がワインの国際市場においてかなりの存在感を持っていることは過去に書いた通りですが、この香港という地域がブルゴーニュ産のワインに与える影響についてのショッキングなニュースがありましたので、それについて書いてみます。

【ワイン市場における香港の影響力】
まずは香港がワインの世界市場においてどの程度の影響力を持っているか確認です。香港は世界のワイン輸出金額を基準にして考えた場合、2016年時点で6番目に大きな市場となります(詳細についてはこちらをご確認ください)。しかもその面積の小ささと裏腹に輸入金額はすでに日本より大きいのです。この背景にはお金持ちが多いというだけでなく、伝統的に中国やその他の東南アジア圏にワインが輸出される中継点として機能していることがあります。これだけでも存在感があるのですが、注目すべきはその成長率です。2012年と2016年と比較した場合の成長率が+74%と群を抜いて高いのです。中国本土も同じレベルの成長を続けており、これらの地域は特に高価格化が進むワインの国際市場の中でも次元が違う成長を遂げていると言えます。

【ブルゴーニュ・ワインの販売・輸出状況】
参照1を確認したところ、たまらない現実がそこにはございました。端的に言いますと、出荷量ベースでは2007年から2017年までにワインの合計生産数量は多少上下しますが、輸出金額を基準に考えると2009年以降に連続してプラス成長が続いています。その輸出用のブルゴーニュワインを購入しているのがアメリカ、イギリス、日本、カナダ、ベルギー、香港、スイス、中国などの国々です。2016年の通年のデータはこちらで確認した通りです。ちなみに前回のブルゴーニュ1を書いた際には、中華圏に販売される比率が相対的に小さいとさせて頂いておりました。この状況が急速に変わりつつあるというのが今回の本題です。当たり前といえばそうなのですが、個人的にはかなり驚きました。

【本題  ショッキングなニュース】
香港へのブルゴーニュ・ワインの輸出量がこれまで以上に伸びている事がわかってきました。2017年の実績値は数量ベースで前年比4.2%増加で、金額ベースでは17.8%の増加です。10%を超える成長というのは最近の不景気しか知らない我々のような世代にはよくわからない成長率なんですが。。特筆すべきは中華圏では伝統的に赤ワインを尊ぶ文化的な嗜好があったとされますが、少なくとも香港に関しては輸出量の半分を占めるほどになっています。さらに知名度が比較的低いMacon、Chalonnaise、Hautes Côtes de BeauneといったAOCにも人気が出つつあります。これらのAOCは割合お得感があるワインが見つかりやすかっただけに、もうこの辺りのワインも値上がりが避けられないかも?と思うと日本人として非常にショッキングであったのであります。ちなみに、日本の市場も楽観的な見方が多く、EUと日本の間で発効される見込みのEPAの影響でブルゴーニュからのワインの輸出は将来的に増加していく可能性は十分あります。ただ、香港ほどの成長を維持できるか、市場として同じ程度に魅力的でいられるかと考えるとなかなか難しそうです。それでも日本市場は輸出金額ベースで2017年に前年比5.8%ほど成長しており、世界で3番目の市場となっています。
それで、さらに衝撃的だったのが香港に輸出されるグラン・クリュの比率の高さとまたその成長力です。参照5によると2017年時点で香港に輸出される赤ワインの15%が特級クリュのワインであったそうな。それに対して日本は5%。それで、だれがこのグラン・クリュを購入しているのかというと、少なくともPerrot-Minotに限定すれば70%が個人の顧客であるとのことです。しかもそのうちの90%はグラン・クリュしか買わないとな。。すごいな香港は。個人宅のセラーにグランクリュが溢れているのか、と思うと非常に遥かな国に感じられます。ちなみにかつてはシンガポールが高級ワインの出荷先として有力だったようですが2008年以降の景気交代で消費が減退してしまったようです。
ワインは生産量が限られる上、世界中に市場があるため景気動向によってそれぞれの市場が有する影響力も移り変わっていくことが身にしみてわかるショッキングなニュースでありました。

【参照】
Accessed on 9 August 2018.

2.
Millar, R.(2018). Burgundy Exports go on Rising in 2017. The Drink Business. [online] Available at https://www.thedrinksbusiness.com
Accessed on 9 August 2018.

3.
Accessed on 9 August 2018.

4.
Accessed on 9 August 2018.

5.
Accessed on 9 August 2018.

Kruger Old Vines Cinsault 2017

南アフリカの個性的な赤ワインをテイスティングする機会がありました。
そこで少し物思いに耽ったことを書き綴ります。ご興味があれば物好きの駄文程度に読み飛ばしていただければ幸いです。
(後半部分は南アフリカのCinsaultに的を絞った情報になっております。)

本日テイスティングした赤ワインは南アフリカの西ケープ州の北端に位置する産地で作られたものでした。


【テイスティングしたワイン】
Kruger Family Wines, Cinsault Old Vines 2017, Piekenierskloof Valley.

【生産地について】
Piekenierskloof Valleyとありますが、正直なところ私程度の人間ではどの辺りの産地なのかピンときませんでした。ちなみに末尾の’kloof’はAfrikaansの言葉で渓谷を意味します。
この生産地(Piekenierskloof Valley)は西ケープ州の北部にあるCitrusdal Valley Districtの中に位置しています。このCirtsusdal Valley DistrictはOlifants River Regionと呼ばれる地域の一部となります。ここで南アフリカの知識が生きるのですが、南アフリカのワイン産地はUnit、Region、District、Wardの順で区画されています。Piekenierskloof Valleyはその中でも標高が高いとされる地域で、このワインは標高700mほどの葡萄畑でとれたブドウが原料となっています。

【栽培条件について】
Cinsaultは乾燥した暑い地域に耐性があるとされる南仏地方で栽培面積が多い品種です。また収穫量が多くなりがちでその際には特に個性に乏しいワインができることになります。そういった場合は他のさらに個性がある品種から出来たワインとのブレンドに使われてきた背景があります。単体では色が淡い、軽めの味わいのワインになることが多い傾向があります。南アフリカのCinsaultの特徴として、古くから栽培されていたため今でも古木が多く残っている点があげられます。今回のワインも樹齢64年とされる古木からとれた果実が原料として使われており、こういった場合には一般的に樹齢の若い通常の木から実をとった場合よりも凝縮みや複雑さが発現するとされます。Old Vine Projectとは南アフリカに存在する忘れられた古木の葡萄畑を探し出し、生産者に紹介する試みです。Eben Sadieが深く関わっていることで有名です。今回のワインもこのOld Vine Projectによって発掘された畑がステレンボッシュに拠点をおいていた生産者の手に渡り、このワインが出来るに至りました。ブドウは樹齢が高くなると自然と収穫できる量が低下していきますが、Cinsaulttはこのように収量が低く制限された場合に優れた個性的なワインを生むとされる品種です。出来上がるワインの特徴としてはやはり軽やかな味わいの中にも豊富な果実味と繊細さを兼ね備えたものが多い印象です。

【醸造方法について】
初めてにかつてCinsaultに適用された一般的な醸造方法の特徴について確認します。Cinsalutは品種の個性として色の淡いワインになる傾向があります。この色が淡いという特徴のため、醸造では十分な色素を抽出することが難しいく必然的に発酵中にパンチング・ダウンといった渋みの抽出が多くなる手法が取り入れられる事になります。これが上手くコントロールされない場合、バランスが悪いワインが出来上がってしまうことにもつながります。今ではさほどでもありませんが、かつてはワインの世界の流行の問題から色が濃いワインが非常に好まれる時代がありました。こういう時代にはそもそも色が淡くなり易いCinsaultには不利な状況となります。Eadsはこう言った背景のためにCinsaultは他の品種とのブレンド用の品種にとどまることが多かったと指摘しています。
次に今回のワインの製造に関する技術的な点を確認します。今回のワインはブドウ全体の25%を全房を使用して発酵を行なっています。発酵前の低温浸漬の期間を3日間設け、発酵は14日間で終了しています。その後4日の間果皮とワインを接触させ、その後6ヶ月間は使用済みの小さいオーク樽で熟成させます。基本的にできるだけそのままの味わいを残すような醸造方法を取っていることがうかがえます。おそらくですが、重力任せた清澄や軽めの濾過処理などが実施されている可能性があるように思います。

【テイスティングした際の感想】
色合いは赤ワインとしては特異な程色が淡いのですが、ロゼほどではなく典型的なブルゴーニュのPinot Noirと同等程度です。
味わいは酸が綺麗に残っており、アルコール度数が低めなこともあって近年では珍しくなった酸とアルコールのバランスが取れています。辛口な味わいで適当なDiscriptorとしてはCramberry、Raspberry、Brambleのような酸味が強い赤果実と若干の葉っぱの要素があります。甘やかなLiquoriceと乾燥されたHibiscusのような花の香りも存在しています。オークのニュアンスは全く嫌らしくなく、上手く調和していて全体の雰囲気に溶け込んでいます。おそらく多少の青さは全房発酵に起因する要因かと思われますが、個人的にはむしろフレッシュな印象を強める好ましい特徴になっているかと思います。一方で全房発酵を行った場合にあり得る副作用である酸の低下や凝縮感の低下というものは感じられません。全体として非常に上手く作られている好印象のワインでした。ただ、タンニンは中程度と高くないので、度数もタンニンも強いパワフルなワインを飲みたい場合であれば、あえて選ぶワインではないかもしれません。

Cinsaulという品種はまだまだ知名度も人気も低い品種です。冒頭でも触れた通り、収量が多い品種であり過去には質より量を確保するための品種として利用されてきた背景があります。熱や渇水のストレスにさらされた場合でも耐性があるとされます。南アフリカでは結果的に灌漑されていない場所でも長年生きながらえる葡萄畑が残ったため、現在のように古木が多く残っている状況に繋がりました。これと同じような状況が見られるのがチリのイタタ地域です。こちらは南アフリカのCinsaultよりさらに知名度が低いように思うのですが、この辺りの産地もまだ広く一般に知られてはいないものの潜在力があるという意味で面白い産地かもしれません。レバノンのChateaux Musarも収穫量を低く制限することで高品質なワインを作ることで有名です。Cinsaultという品種もまだまだこれから本当の個性を実力を発揮していく品種なのだろうと思います。

1.
Kruger Family Wines Old Vines Cinsault. The Old Vine Project. [online] Available at http://oldvineproject.co.za
Accessed on 8 August 2018.

2.
Edes, C.(2017). Kruger Familly Wines Old Vines Cinsault 2017. Winemag.co.za. [online] Available at https://winemag.co.za
Accessed on 9 August 2018.

3.
Eads, L.(2016). Cinsault Tipped as ‘South Africa’s Malbec’. The Drink Business. [online] Available at https://www.thedrinksbusiness.com
Accessed on 9 August 2018.

4.
Clarke, O.(2015). Grapes & Wines: A Comprehensive Guide to Varieties and Flavours. London: Pavillon Books Company Limited.

5.
Cooper, A. MW.(2018). Cinsault: It’s not just a backing singer. Decanter. [online] Available at https://www.decanter.com
Accessed on 10 August 2018.

2018年8月7日火曜日

ブルゴーニュ3 Côte de Nuits

ブルゴーニュ地域の中でも特に赤ワインの産地として名高い地域がCôte d’Orの北に位置するCôte de Nuitsと呼ばれる一帯です。
今回はそのCôte de Nuitsについてです。

前回の際にブルゴーニュと呼ばれる地域は南北の距離が230kmほどあり、6つの生産地域が縦に細長く散在していることを確認しました。その細長い地域中でもなだらかな東向き斜面で栽培されたブドウから最高品質のブドウを産出する事で知られるのがCôte d’Orと呼ばれる部分です。参照1はブルゴーニュの全体の地図です。このCôte d’Orの北の端にあるのがCôte de Nuitsと呼ばれる地域です。栽培面積は比較的小さく、南北の全長は20km程度です。北はDijonの街の南から南はCorgoloin村の南側までの渡る細長く伸びた形の生産地域となります。ブドウ畑は西側に位置するなだらかな東向き斜面の周辺に位置しています。Côte d’Or一帯にも言える事ですが、東側は土地が低く西側に行くほど土地が高く盛り上がってる行きます。ブドウはこの比較的土地が低い東側の地帯から西の斜面を登りきった先までの広い範囲に植えられています。最高品質のワインを生むとされるのはこの中の中心部である盛り上がった丘の中腹の部分です。Côte de Nuitsの西側にはさらに土地が隆起しており、標高が300-400mになる部分があります。Hautes Côte de Nuitsはこの丘の上にある平地に位置しています。

ここでなぜ東向き斜面の丘の中腹部分に有名な畑が多いのか確認します。参照3のEdge of the plateau slopeの部分にブルゴーニュの地層とブドウ畑がの位置に関する図があります。まず低地では表面の地層は茶色っぽくなり石灰質というよりは粘土質が多い事がうかがえます。その対極にあるのが丘の上の平地の部分ですが、ここでは表層の土の層が浅い事がわかります。ここから丘の下にいくにつれて上から侵食によって削られた土が堆積するため表面の土の層が深くなります。表層は下へ行けば下に行くほど深くなります。また丘の中腹では石灰質の土が深く蓄積しているため、こればブドウ作りに最適な要因かと思われます。一般的に石灰質土壌は水はけが良い一方で、適度な水分を保持できる点で優れているとされます。つまるところ土の性質と層深さがブドウ作りに最適とされているわけです。この丘なりの地形は他にも利点があります。参照1によると主なものは 1. 凍結に対する耐性 2. 西から吹く風からの保護 3. 日差しの影響の増幅 4. 過剰な湿度を抑制することにつながる水はけの良さです。これらの利点を享受できるのはCôte de Beauneにおいても共通する事です。基本的にCote d’Or地帯の西側にある低地ではBourgogne RougeやBougogne Blanc用のブドウが作られ、丘の上に行くにつれてヴィラージュ、プルミエ・クリュの畑が植えられています。中腹にはグラン・クリュが位置しておりさらに上に行くともう格下の畑が植わっています。

Côte de Nuitsにおいては特に最高級の赤ワインを生み出す事で有名はグラン・クリュやプルミエ・クリュが多く存在します。これらの畑からできるワインは数量が限られていると同時にブルゴーニュ地方のワインの中でも最高品質のものとされ非常に高価な価格で市場に出回ります。少し格が下がると特定の村でとれたブドウを原料にして作られた村名を冠したワインがあります。畑と同様に村によっても個性があり、同じ村名ワインのカテゴリーの中でも作られた村によって個性が違うとされています。Jancisによると主要なものはGevrey-Chambertin、Morey-St-Denis、Chambolle-Musigny、Vougeot、Vosne-Romanée、Flagey-Échézeaux、Nuits-St-Georgesとのことです。Côte de Nuitsの栽培面積はブルゴーニュ地域全体の約6%となります。赤ワインの名声に隠れてあまり目立たないですが、栽培面積はかなり少なく、Côte de Beaunenの半分以下です。生産量が少ない傾向がある赤ワインの産地であるため、白ワインの比率が高い他地域と比較下場合、生産量はさらに少なくなるはずです。

上の主要生産地を北から順番にならべると、生産状況は以下のようになります。



Commune name

Area under production(ha)

Those for Premier Cru(ha)

Annual yield(hl)

(Average of 2007-2011)

Wine type

Altitude(m)

Aspect

Gevrey-Chambertin

402.72

80.52

16,832

Red

280-380

East to south-east

Morey-St-Denis

106.61(red)

4.93(white)

38.22(red)

1.23(white)

3,432(red)

201(white)

Red

White

220-270

East

Chambolle-Musigny

152.65

55.40

6,016

Red

250-300

East

Vougeot

10.65(red)

3.66(white)

8.10(red)

2.83(white)

378(red)

166(white)

Red

White

240-280

-

Flagey-Échézeaux

44.10

-

1478

Red

230-300

East

Vosne-Romanée

151.91

57.19

5,901

Red

-

East

Nuits-St-Georges

297.06(red)

9.78(white)

136.32(red)

6.79(white)

11,592(red)

392(white)

Red

White

-

East or South-East


Bourgogne-wine.comのデータから作成)


私個人的には、これらの通称では村名ワインと呼ばれるものでもその価格帯は他の生産国・地域のものと比較すると価格が高めかなと感じる事が多いです(品質どうこうの話は抜きにして、の話です)。また前回の際に確認した通り、ヴィンテージの影響が大きいため常に安定して凝縮感たっぷりのワインができるという産地ではありません。この背景にはこの地域で追及されているスタイルの問題もあります。そのため例えば販売価格が5千円台のCôte de Nuitsのワインを買ったとしても、とくに果実味の凝縮感という点で言えば新鋭のニューワールドの産地で作られた同価格帯のものより大人しいことが多いです。というのは、その価格帯ではこの土地のフラグシップと言えるプルミエ・クリュやグラン・クリュのワインは買えない可能性が大だからです。おそらくこのクラスであれば村名クラスか有名生産者のレジョナルレベルのワインになると思います。これらに使われるブドウは基本的にはCôte d’Orの丘の上かもしくは丘が隆起する手前の東側にある平地からできたものが多いです(例外はあります。逆にそういうものが狙い目です)。近年では地球温暖化のためか、丘の中腹から外れた地域でもブドウが適切に成熟できる産地ができている事は度々指摘されることが増えていますが、それでもやはりプルミエ・クリュやグラン・クリュの優位性を疑う声は意見は少ないかと思います。本当に私的な話ですが、ブルゴーニュのワインを飲む際はCôte de Nuitsに限らず、できればPremier Cru以上のブドウからできたワインを楽しみたいと思います。



【参照】
1.
Accessed on 2 August 2018.

2.
Accessed on 2 August 2018.

3
Passport to Burgogne winesBourgogne-wine.com. [online] Avaialble at https://www.bourgogne-wines.com
Accessed on 2 August 2018.

4.
Côte de Nuits. Jancisrobinson.com [online] Available at https://www.jancisrobinson.com
Accessed on 3 August 2018.

5.
Accessed on 3 August 2018.

6.
Accessed on 7 August 2018.

7.
Gevrey-Chambertin. Bourgogne-wine.com. [online] Available at https://www.bourgogne-wines.com
Accessed on 7 August 2018.

8.
Morey-St-Denis. Bourgogne-wine.com. [online] Available at https://www.bourgogne-wines.com
Accessed on 7 August 2018.

9.
Chambolle-MusignyBourgogne-wine.com. [online] Available at https://www.bourgogne-wines.com
Accessed on 7 August 2018.

10.
VougeotBourgogne-wine.com. [online] Available at https://www.bourgogne-wines.com
Accessed on 7 August 2018.

11.
Vosne Romanée. Bourgogne-wine.com. [online] Available at https://www.bourgogne-wines.com
Accessed on 7 August 2018.

12.
Flagey ÉchezeauxBourgogne-wine.com. [online] Available at https://www.bourgogne-wines.com
Accessed on 7 August 2018.

13.
Nuits-Saint-GeorgesBourgogne-wine.com. [online] Available at https://www.bourgogne-wines.com
Accessed on 7 August 2018.

14.
Accessed on 8 August 2018.

2018年8月5日日曜日

発酵温度について2

半年ほど前にワインの発酵温度について書いたこと(こちら)がありました。前回はGewürztraminerの発酵温度に関して限定して思ういつき程度に書いたのですが、今回はもう少し対象範囲を広げて真面目に書いてみます。特に考えたいテーマは旧世界と新世界の場合の白ワインの発酵温度とその違いによって生じるワインの性格の変化についてです。

まず、Companion to Wineの関連項目を確認して旧世界と新世界では発酵のさせ方がだいぶ違うということを確認します。新世界における白ワインの発酵温度は12-17°Cが一般的であり、これによって果実味が強いバランスが取れた色の淡いワインが生み出されるとのことです。かつ、この12-17°Cの発酵温度はワイン作りを商業的に成り立たせるためにも大切です。というのは新世界では一般的に1年のうちに発酵槽を複数回使うことが多いため、1回の発酵は比較的短い期間で完了する必要があります。そのためこの12-17°Cというのは発酵がある程度速く進み、出来上がるワインの風味も好ましいものになる範囲であると考えられます。ちなみに、このままの温度で保管しても温度が低いためマロラクティック発酵には適温ではありません。もし必要な場合は別途温度をあげる作業が必要になります。これと対照的なのはブルゴーニュにおける白ワインの発酵方法です。ここでは木樽に果汁を入れた後、アルコール発酵が済んだ後もワインは樽の中で保管されます。そして翌年の春や遅い場合には初夏までにマロラクティック発酵が完了します。必然的にひとつの発酵槽は一年に1度しか使われません。そして高い確率でマロラクティック発酵が行われることになります。またここではアルコール発酵の発酵温度は新世界の場合より高くなる傾向があります。温度が高いといっても酵母が死滅するほど高くなるほど温度が上がることはあまりありません。というのはブルゴーニュで一般的な樽が収納できる容積はは228Lであり、新世界で一般的に使用される大型のステンレスタンクと比べると熱が放出される効率の指標となる液体の表面積と容積の比率が高いからです。そのためブルゴーニュの発酵方法を取る場合には特別に発酵温度を下げるような仕組みは必ずしも必要ではないのです。もう一つ発酵槽の材質について考えた場合、木樽は液体に対しては不透性ですが、気体に対しては(分子の大きや特性にもよると思われますが)透過性があります。ステンレスや内側に樹脂でコーティングを施したタンクはどちらに対しても基本的に不透性です。特に小型の木樽の場合はワインが空気に触れている表面積が大規模なタンクで発酵・保管した場合よりも大きくなります。ブルゴーニュ以外の全般的な話に戻りますが、Companion to Wineによると旧世界で一般的な発酵温度は18-20° C、もしくはそれ以下とのことです。要するに新世界と旧世界では発酵のさせ方が全く違うことがわかります。注意が必要なのは生産地域にかかわらず製造者の製造方針によって発酵温度は変わるということです。そのため、実際にワインをテイスティングした後にそのワインがどのように作られたかを確認する方が良いかと思います。

そもそも発酵に対するアプローチが新世界と旧世界で違うということが分かったところで発酵温度の違いによるワインの性質の変化について考えてみます。ここからは少し専門的な話になるかもしれません。まず白ワインの発酵温度は赤ワインに適用されるものより低くなります。これはもろみの温度を上げることによって果皮に存在する成分を抽出しやすくする、という作業が必要ないためです。白ワインの製造時には発酵中にもろみと果皮は接触していません。参照3によると赤ワインでは適切な温度は20-30°Cである一方で白ワインの場合は15°C以下が推奨されます。白ワインを製造する場合は、果皮から果汁が絞られた際に出てきた成分を保持することが求められます。以前ワインの香りの原因物質について書いた際に確認しましたが、これらの香りないしは味覚に影響を与える物質は揮発しやすいものが多いです。そのため発酵温度が高かったり、発酵中に放出される二酸化炭素やエタノールの量が多かったりするとどんどん揮発していきます。結果的にイチゴやバナナといった香りの構成成分とされている分子量の小さいエステルは発酵温度が低かった方がワインに保持されるため最終製品にそれに起因する特徴が発現しやすくなります。またもう一つ低温発酵の傾向としてあるのが好ましくない香り成文を発生させるバクテリアの働きを抑えられることです。特に赤ワインの場合に問題になりやすいようですが、30-40°Cに近ずくにつれて揮発性の脂肪酸やフェノールを作り出すと言われるアセトバクターが活動しやすくなります。また発酵温度が10-15°Cより高くなるとBrettanomycesと呼ばれる硫黄臭を作り出すバクテリアも活動できるようになります。ブルゴーニュでは肯定的な文脈で登場することが多いマロラクティック発酵に関しても、求められるワインのスタイルによっては好ましくありません。この現象は20°C以下の場合には抑えられるため、低温発酵の場合には理屈的にはこれが起こる可能性が低くなります。これらの酵母やバクテリアの活動に由来する香りが発生する可能性が比較的低いのが低温発酵で作られたワインの傾向的な特徴と言えます。結果的に製造されるワインは混じりっない果実の味わいが残る可能性が高いと言えます。ちなみにエステル類というのはたくさんの化学物質を含む総称ですが、特にワインの世界ではバナナ、花梨、バブルガム、パイナップル、ライチ、イチゴ、シナモンの香りを構成する物質であると考えられています。これ以上の話はその道の研究者の方にお任せして問題ないかと思います。


【参照】
1.
Robinson, J.(2015). Winemaking and temperature. In Oxford Companion to Wine, forth edition. Oxford : Oxford University Press.

2.
Robinson, J.(2015). Refrigeration. In Oxford Companion to Wine, forth edition. Oxford : Oxford University Press.

3.
Centinari, M. PH.D. An Introduction on Low Temperature Fermentation in Wine Production. PennState Extension. [online] Available at https://extension.psu.edu
Accessed on 5 August 2018.

4.
Robinson, J.(2015). Acetobacter. In Oxford Companion to Wine, forth edition. Oxford : Oxford University Press.

5.
Dekkera bruxellensis. Viticulture & Enology. UC Davis. [online] Available at http://wineserver.ucdavis.edu
Accessed on 5 August 2018.

6.
Seal, Laura.(2018). Tasting notes decoded: What is velvety wine?. Decanter. [online] Available at https://www.decanter.com/
Accessed on 5 August 2018

2018年8月4日土曜日

テイスティングの表記に使える英語の表現について

テイスティングという行為はワインに慣れていない人から見れば至極分かりにくいものに違いないないでしょう。そもそもその行為自体が部外者にとってはとっつきにくいだけでなく、一般的な日本人にとってはピンときそうにもない単語が幅を聞かせていることも理解を妨げる一因かと思います。とは言っても、ワイン好きにとってはテイスティングの表現力と他の方が魂を込めて書いて頂いたテイスティングノートを正しく読解(あえてこの単語を使います)する能力は必須であります。そのでこの能力を磨く必要があるのですが、なかなか難しい課題ですよね。

解決法はと言いますと、もうこれは出来るだけ多くの用語・表現の意味を理解して覚えておくしかないです。できれば覚えた表現を吟味しながら能動的に使ってみると、さらに理解が深まり知識として覚えたものが身に付いて来ます。ということで、今回はワインの香りや味わいを表現する際に使われやすい用語について書いてみます。とは言っても役に立つリンクを紹介するにとどまっている節がありますが。

Decanterという英語のワイン雑誌がありますが、私は本誌が大好きです。ネットで検索出来る記事が豊富でどの記事も深いところまで考え抜かれて書かれているように感じます。その記事の中でワインのテイスティングの表現に頻繁に用いられる果物やハーブなどが指す意味が纏められたものがありましたので、以下に書き記しておきます。Decanterの回し者ではありませんが、非常に役に立つ情報だと思います。

ワインの香り・味わいの記述したものをテイスティング・ノートと呼ぶことがあります。個人的にこれを書く上で大事だと思うことは以下の二点です。まず、誰かが書いた記述を読む場合、書き手の記述した言葉の意味となぜその言葉を選んだのかを考えることが大切です。ワインの表現に使われる単語(descriptor)は様々のものがあり、その数は膨大です。テイスティングノートにはその中でも書き手が最も適しているとして厳選した単語が使われています。例えば、果皮の色が黒い果実を使ってワインの味わいを表現する場合には書き手は blueberry、cassis、bramble、black cherry、plum、raisin、pruneといった多数の単語から最も適切と思われるものを選んでいるはずです。これらの単語の使い分けについては参照1で詳細に述べられています。実際に2つの例を考えてみましょう。この中でblueberryが使われた場合、豊かな酸味とバランスがとれた甘やかな果実味があるワインであることが強調されます。これとは別にbrambleの場合を考えましょう。この単語はもともとは英国内の園芸シーン(!)で一般的なblackberryの茂みを指す単語です。そのためこの単語が使われた場合には単純にblackberryの味わいを意味するだけでなく少し植物っぽい、もしくはその葉っぱのようなニュアンスがあるという意味が込められることになります。この辺りの意味は能動的に勉強しなければわかりませんね。逆に一度覚えてしまえば表現の幅がグンと広がる武器にもなり得ます。これについて勉強されたいかたは是非以下のリンクを参考にしてみてください。2つ目に大事なことは、自分がテイスティングコメントを書く際にも出来るだけ最善の単語を使ってワインを表現しようと努力することです。ひいてはそれが出来るようになるために日頃から語彙を磨くなどの訓練を積んでおく必要が出てくるわけです。ワインは本当に難しい。。。


ワインを表現する際に使われる様々は果物、ハーブ、スパイス等について
参照1を読んでみてください。一見の価値ありです。


またこれらの果実やハーブの名前とは別に、その香りや味わいの性質を表現する際に使われる形容詞も重要です。私個人としてはこの形容詞は上の単語(英語ではdescriptorと呼ばれます)よりは重要度が下がるかもしれませんが、使い分けられると雰囲気が更に伝わりやすくなると思います。ワインで使われやすい形容詞のものは以下かなと思います。


Complex
ワインの世界では良い意味で複雑さに富むという意味。わかりにくくて難しいというような悪い文脈ではComplicatedの方が多い。
Concentrated
凝縮された、という意味。
Delicate
繊細である。良い意味で使われることが多い。
Distinct
意味が多い単語ですが、ワインの場合は明白に〇〇のような性質が感じられるという場合に使われる。The distinct note of ...といった使い回しになる。
Elegant
優雅さを携えた性質を指す。必然的に高級ワインの表現に登場しやすい。An elegant bouquet of ...といった使い方が多い。
Grassy
芝や下草のような性質を指す。ソーヴィニョン・ブランで特によく使われる。
Herbaceous
植物っぽいという意味の表現。場合にもよるが、この性質自体が悪いわけではない。他の要素とのバランスによってはマイナスにもプラスにも使われる。
Leafy
葉っぱのようなニュアンスを加える際に使用される。Herbaceousと同じく、必ずしも悪い文脈で使われるわけではない。
Lush
非常に濃厚。気分が高揚するほど良いと言った感情的なニュアンスが入る。
Peppry
特に胡椒のような特徴がある時に使われる。
Piquant
食欲をそそるような心地よさを伴う刺激的な様子を指す。悪い意味では使われない。
Rich
濃厚であったりボディが強いことを指す。
Savoury
ワイン分野の内にいるか外にいるかで若干意味合いが変わる!ワインの世界以外では塩っけを伴う味わいのことを指すことが多い。ワインの世界では塩みに限定されず食欲をそそる様を指す際に使われることが多い。
Simple
単純・単調である際に使われる。必ずしも悪い意味ではない。逆に早飲みされるワインでは好ましい性質とされる。
Spicy
スパイシー。良い意味で使われることが常で良い意味で刺激的。
Straightforward
率直でわかりやすい様を指す。
Strong
程度が強いことを意味する。Delicateと対照的。Pronouncedに近い。
Subdued
穏やか、もしくは抑制されたといった意味。落ち着いたとも訳される。
Subtle
わずかに〇〇のニュアンスがあると言った感じを出す表現です。
Tangy
香りや味わいが強く、かつ性質が適度に鋭い様を表す。特に若いピノ・ノワールに多様されるように思う。
Vibrant
ハツラツとした様を強調する際に使われる。特に酸味を性質を表現する際に多様される。名詞はVibrancy。
Voluptuous
感覚的に心地良い様を指す。ワインの分野以外で聞けば性的に魅力的という意味を連想しないわけではない。

また形容詞ではなく名詞ですが、「edge」という表現も役に立ちます。際立って何かの性質が認識出来る場合につかわれる単語です。The pepery edge ... といった形で使われます。上の「Distinct」に近しい使われ方をします。

【参照】
Seal, Laura.(2018). Tasting notes decoded: What is velvety wine?. Decanter. [online] Available at https://www.decanter.com/
Accessed on 4 August 2018.



2018年8月3日金曜日

Domaine Thomas

WSETの勉強仲間からオススメされたニュージーランドのピノ・ノワールの生産者がDomaine Thomasだった。

生産者のWebサイト読みながら思ったことはを忘備録として書き残す。


Domaine Thomas
セントラルオタゴ(ニュージーランド)とジュブレシャンベルタン(フランス)の二箇所でワインを生産する家族所有のワイナリー。ぶどうの品種はピノ・ノワールのみ。


【セントラルオタゴ(Central Otago)】
位置情報
・緯度はおおよそ南緯45°
比較のために日本の地理について言えば、最北端の択捉島が北緯45°に位置する。
英語で緯度を表記するとき、例えば北緯45°に位置すると言う場合、"at a latitude 45° north"となる。" ° "の読み方はディグリー。ちなみに温度を言う場合は、厳密には℃(ディグリー セルシアス、もしくはディグリー センティグレード)や℉(ディグリー フェレンハイト)と言った方が誤解がない。
・冷涼な産地だが、ピノ・ノワールにはこの温度帯が適しているとされる。温暖な気候帯ではジャムの様な行きすぎた甘さが出るワインが出来てしまう可能性がある。

地形
・畑は周辺地域より高地に位置しており、その中でも別々の位置に4つの畑を所有している。全ての畑の個性は異なる。

栽培方法
・ピノ・ノワールの中でもクローンはPommardDijonを栽培している。
Pommardはワイン新興国でよく流通している。Dijonはブルゴーニュ由来で人気が高い。
対照的にPinot Droitと呼ばれるブドウの粒が大きく生産量が多いクローン群もあるおそらくサイトにPommardDijonのクローン名が明記されると言うことは、そう言ったクローンは使っていないということを強調したいと思われる。

製造工程
・製造上のコンセプトは出来る限りセントラル・オタゴの風景や気候を反映したワインを作ること。人の手による介在を出来る限り少なくする。
・果実味とバランスを出すためフランス産オーク樽を使用する。


【ジュヴレ・シャンベルタン(Gevrey Chambertin)】
位置情報:
・こちらも北緯は高く47°
セントラル・オタゴとは対照的に、こちらの生産地は何世紀にもわたってワインが生産され続けてきた伝統生産地域である。そのため過去に修道士たちによって蓄えられた細かい地域区分ごとのワインの個性についての膨大な情報がある。

地質:
・石灰石と粘土。岩と軟体生物の化石も多い。
水はけの良さと適度な保水効果があるとされる組み合わせ。
・長い年月の間に生じた土の侵食のため、畑の上部半分には他のAOC格付が与えられている畑から取得した土をくわえている。

栽培:
・樹齢は80100年のものが多い。一部には新しい木も植えている。

醸造:
100%除梗する。
・低音での浸漬を行う
・発酵後、18ヶ月間フランス産オーク樽で熟成する。新樽100%。
・フィルターによる濾過はしない。
コンセプトはセントラルオタゴとは同じで人による介在をできるだけ少なくすること。


【参照】
メーカーのWebサイト