2020年1月28日火曜日

WSET Diploma in Wines and Spirits の卒業式について

先日、ロンドンにて行われたWSET Diploma in Wines and Spirits の卒業式に出席しました。

当初は勉強仲間の都合との兼ね合いのため出席しないつもりでしたが、いろいろ考えて出席することにしました。

結果的に言えばその判断は正しかったと思います。

今回はWSET Diploma in Wines and Spirits の卒業式に参加した際の感想について書きます。

その前に少しだけWSET Diplomaについても書いておきます。

【Diploma保有者(DipWSET)について】
卒業式で配られた資料によると、
 ● WSET Diploma in Wines and Spirits の資格保有者は現在10,400人以上
 ● 2018-2019年の合格者は世界全体で665人。そのうち日本からは10人
 今年はさらに一緒に勉強してきた大阪の仲間も加わる事が確実になっています。
(何故かむしろこの事の方が嬉しい)
●備考
 DipWSETの教育方針が優れている事もさる事ながら、巨大な卒業生同士のネットワークがあることもこの資格の大きな魅力です。
2018-2019年には17の国と地域から卒業生が誕生しており、この資格の世界全体への影響力がうかがえます。


感想ですが、やはり卒業式は素晴らしいものです。
伝統ある式典会場の雰囲気や世界中の同期から得られる刺激を感じたり、ワイン業界を取り巻くダイナミズムに触れるなど様々な得難い体験が待っています。

さらに卒業生同士のネットワーキングのためには絶好の機会です。
卒業式ではことさらこのネットワークについて言及されます。たとえば「卒業=Diploma保有者の大きな家族の一員になることだ」といった文句が頻繁に語られました。WSETは卒業生通しの相互協力に重きを置いているように感じます。

ちなみに私はロンドンで卒業式に参加した後にアルザスとバーデンの生産者を巡りました。
そのときバーデンで活躍してくれた通訳兼ガイドもDipWSET保有者でした。
これ以上なくらい充実した旅になっただけでなく、この資格のメリットを感じることができました。

個別の生産者は道中で思ったことについては別途個別に書きます。

もしWSET Diplomaを目指している方がいらっしゃれば、是非目標を達成して旅してみて頂きたいです。素晴らしいことだと思います。





2019年11月14日木曜日

[Eng] Alamos Torrontés 2018, 13.5%, Salta

[Appearance]
Nearly limpid with a slight lemony and greenish hue. Bright.

[Aroma]
Highly aromatic with many scents that are seemingly derived from a grape variety used. Suggesting use of a aromatic variety. 
Richness of ripe apple and pear well-counterbalanced by fresh muscat of vibrant acidity. When served in a cool temperature, fresh herbs(lemongrass, apple mint, rosemary) can also be felt. Faint scents of tropical fruit(pineapple mint, rlychee) appear as the liquid warms up. Seemingly no oakiness. 
Primary aromas predominate while secondary/tertiary character is very limited. Although it might be a simple wine, it has a number of enjoyable varietal expressions derived from the grape used.

[Palate]
Impressive attack with vibrant acidity. It keeps fairly high acidity. Dry. The alcoholic sensation becomes noticeable as the liquid temperature rises. Slightly high in alcohol for a white wine. Light in bodyness. 
Compared to when aromas were observed, citrus fruits(lemon, lime) and once-faint tropical fruits get clearly detected. Subtle aftertaste of bitterness reminiscent of brine.

[Afterthought]
Pronounced intensity of varietal expressions, possibly enhanced by some production methods that amplify those such characteristics.
Rise of the temperature greatly change the impression the wine gives. Warming temperatures progressively reveal more fresh herbs. The nature of the herbs is relatively vivid akin to those of rosemary and lemongrass.

I would like to pair it with simple dishes such as carpaccio or a green salad. 


[Reference]
Torrontés, Alamos Wine [online] Available at http://www.alamoswinesus.com/
Accessed on 14/11/2019.


Alamos Torrontés 2018, 13.5%

【外観】
無色透明に近い。わずかに緑みがあるレモン色。
透明性があり輝きがある。

【香り】
品種由来かと思われる香りがすぐに感じられ、香りの強さは強い。アロマティック品種の使用を連想させる。
熟したリンゴ、花梨に加え完熟前の白ぶどうのような溌剌さもある。温度が低いうちは特にフレッシュハーブの要素(レモングラス、アップルミント、ローズマリー)が感じられる。温度が上がってくると少しだけ南国風の要素(パイナップルミント、ライチ)もあるかと思う。
オークのニュアンスは感じ取れない。全体的に品種由来と思われる香りが支配的で醸造・熟成による香りは控えめ。その点でシンプルである一方で品種の個性を楽しむことができる。

【味わい】
最初は溌剌とした酸味が印象的。酸味はやや強い。辛口。アルコールは温度が上がるにつれて存在感を増す。白ワインにしては少し度数が高い。舌の上ではサラサラと流れて口あたりは軽やか。
味わいの要素としては酸の強い柑橘類(レモン、ライム)のほか、香りの時点では限定的だったライチがより明確に現れる。非常にわずかだがにがりのようなニュアンスもある。

【事後の考察】
ぶどう由来の特徴が強い。このようになるための製造方法を取っているように思われる。
温度が上がるにつれて印象は大きく異なる。フレッシュハーブの印象も強くなる。割と刺激性のあるローズマリーやレモングラス。

カルパッチョやフレッシュサラダなどの軽やかでシンプルな料理と一緒に頂きたい。

【参照】
Torrontés, Alamos Wine [online] Available at http://www.alamoswinesus.com/
Accessed on 14/11/2019.



2019年11月11日月曜日

[Eng] Transparenza 2018, Pinot Blanc, Punto Zero, Vicenza Veneto Italy

Appearance
It is pale yellow with a slightly greenish hue.  No signs of bubbles occuring on the surface of glass.

Aroma
It is modest in intensity evoking a rather gentle sensation.
Aromas firstly caught are oveall delicate in nature and include green apple, freshly cut herbs(especially those without assertiveness and pungency such as sweet balm and thyme). Seemingly made predominantly from a flavour-neutral variety. No signs suggest heavy use of either fermentation/maturation with oak or Malo-lactic conversion both of which complement the aromatic neutrality.

Flavour
It is a delicate wine. It has a a fair level of acidity which might be taken a bit stronger in relative to other structural components. The acid sensation enhances the freshness of the wine. It has a slightly low level of alcohol. Very dry suggesting a low amount of residual sugar. 
Low in body possibly due to the interplay of the delicate flavour, low alcohol and relatively higher acidity. Not a disadvantage of the wine.
Lean and slim with flavours of delicacy and elegance. A gentle sensation of green apple, muscat and fresh herbs appears first. Following is subtle savoryness and delicate salinity.

Recommendation
This might a good option for those who seek gentleness and delicate flavour. Especially good for those fed up with tiring wines with so-called fruit bomb or overt oakiness. No aroma/flavour components stand apart giving the impression that it is well-crafted with all under the producer’s control. The name “Transparenza” Italian for “transparency” alludes to his/her intention.
Not recommended for those looking for extravagant richness/weight of ripe fruit.

I think it pairs well with some kinds of sushi(especially those of white fleshed fish). Salt-grilled Ayu seasonsed with Sudachi lime is another possible partner for marriage. Pairing with heavily flavoured dishes most likely make it hard to appreciate the gentleness and delicacy of the wine..

Considering the gentle flavour, this wine might not be positively evaluated by especially those looking for distinctive characters of a variety used or a typicity unique to a production region. Seemingly good for occasions where solace is needed to help one come out of depression.


【Reference】
Trasparenza, Punto Zero [online] Available at https://www.puntozerowine.it/
(Accessed on 6/11/2019)

2019年11月6日水曜日

Transparenza 2018, Pinot Blanc, Punto Zero, Vicenza Veneto Italy

【外観】
淡い緑がかった黄色。透明に近い。グラスに泡がつく気配はない。

【香り】
強さとしては中程度。優しさが感じられる香り。
香りの要素はどれも繊細。青リンゴ、フレッシュハーブ(刺激性が少ないバームやタイム)。ニュートラルな品種であるように感じるが、そこに無理して樽やMLFでもって香りを補っている感じはしない。

【味わい】
繊細。酸は中程度もしくは少しだけ高く感じる。他の要素を比較すると相対的に強い。全体的にフレッシュな印象を強める。アルコール感はやや低い。残糖はほとんど感じられない。味わいの繊細さと低いアルコール感、相対的に高い酸が相まってボディ感は低く感じる(決して悪いわけではない)。
味わいの正確も繊細でまろやか。かつ余分なものがなく削ぎ落とされている。最初は丸みのある青リンゴ、マスカットやフレッシュハーブが前にでる。後になるとかすかに旨みや塩っけを感じられる。


【こういう人にお勧めです】
ワインを飲み尽くして少し優しさや繊細さを感じたい方にお勧めです。味わいも香りも行き過ぎた要素がなく、均衡がとれた綺麗な味わいです。
ワインにはやっぱり爆弾のような果実味を期待する、という方には是非試飲を見送って頂きたい。違う気分になった時にお願い致します。

個人的には寿司(特に白身魚)と一緒に頂いてみたい。合わせる料理の香りが強い場合だとこのワインの個性が感じ取れない可能性があると思います。

なかなか評価されにくいスタイルかもしれませんが、少し疲れた時や気分を落ち着かせたいタイミングには良いかと思います。
開けた後に時間が立つと様子が変わる可能性はあるかと思います。

【参考情報】
Trasparenza, Punto Zero [online] Available at https://www.puntozerowine.it/
(Accessed on 6/11/2019)


2019年10月17日木曜日

WSET Level 4に必要な英語力について

かなり前にWSET Level 3の取得のために必要な英語力について書きましたが、今回は特に Level 4 Diploma in Wine and Spiritについて書いてみます。

英語力はDiplomaを目指す方の多くが気になる点だと思います。
あくまで私個人の主観ですが、以下の様な力が必要だと感じます。


【Diploma取得に必要な英語力】
1. 栽培 / 醸造 / 保存 / 流通などの内容を読み解けるだけの読解力。

2. (最初は特に)日々遭遇する未知の英単語を習得できるだけの柔軟性のある記憶力

3. 積極的に書籍やインターネットを駆使して情報を入手し取捨選択するための総合的な運用力

4. 読み解いた内容を自分なりの言葉で論述するための文章構成力


さらに以下が身につくと合格は近いと思います。


5. あらゆるワインに関する英文を早く理解する、また早く要点をおさえる力

6. 試験問題の裏を読む力
(これについてはもはや英語の問題ではない部分もあると思います。)

特に6については試験に出題された問題を深く理解し、そこからWSETがどんな議論を求めているのかを想像する力が必要になります。

1については、仮にDiplomaの内容を全て網羅する日本語の情報源があれば必ずしも必要ではないかもしれません。インプットを全て日本語で行えば良いので。
ただしそういうものが存在したとしても一般人が入手できるようなものではないでしょう。


当たり前のことですが、Diplomaは英語の運用力を試す試験ではありません。

いかにワインの製造 / 流通 / 販売等における要点を押さえられるかが問われる試験です。

最初は難しいかとは思いますが、なるだけ早く5と6を意識して学習できる様になると良いと思います。


以下は私個人の経験を振り返った感想です。


【Diplomaを修了した後の感想】
1. JSAワインエキスパートのレベルの知識だけでは全く太刀打ちできない。

2. わからない事をわからないなりに調べて考えて、知識や考え方を深めていく姿勢が不可欠。

3. 英語に自信が無くかつ栽培や醸造の知識もない場合、最初にそれらの分野について日本語で書かれた本を読んだ方が良いかもしれません。
 (文系で通してきた場合は特にこの点は抜かりなく!)

4. いかに吸収した知識に基づき議論を組み立てられるか、がキモです。

5. 難易度が高いこともあり、修了できた時の達成感は強い?

6. (念のために申し上げるのですが)どんなに英語が得意でも、ワインを愛していなければ合格は難しいと思います。

※注意点:2019年からは試験内容・方式に変更点があるため、回答の際に求められるものは多少変わるかもしれません。




2019年9月18日水曜日

ワインに関する情報源についてー雑誌編ー

WSET Diplomaを修了できる見込みとなりました。

これまでの勉強法のまとめも兼ねて勉強してきた中で「使えるな」と思った情報源をいくつか挙げてみます。

今回はいわゆるワイン情報誌と呼ばれるものに絞ってご紹介します。

どの情報源が合うかは読み手によって異なると思います。

理解しやすく、かつ信頼性がある情報源を見つけて頂く一助になれば良いのですが…

今回はWSET Diplomaの対策用ですので、言語は全て英語となります。



【おすすめのワイン情報誌】
① Decanter
取り上げられる話題の幅が広く、かつどの記事もワインを熟知している人間によって書かれている気がします。
記事の特徴について言えば分析力と洞察力を感じられるものが多いです。
とくにJefford on MondayAnson on Thursdayのシリーズは非常に質が高いと思います。

② The Buyer
個人的には非常におすすめです。ただ私以外の人が勧められるのを聞いたことがない(汗
Decanterよりもトレード内部の人の意見に迫ることができる情報源です。
少し欧米の産地や市場に関する情報に集中している気がします。
MWの記事は特に貴重な情報源です。

北米系の産地に明るい情報誌です。もちろんそれ以外の産地についても詳しい記事はあります。
世界のレストランのランキングを発表しているので、世界規模でカッコいい粋な店を回りたい人には良いでしょう。

名前の通りワイン以外の記事も充実しています。
ワイン以外の飲み物全般を対象にリサーチする際には特におススメです。
業界のニュースをいち早く知れせてくれます。分析を交えて批評するというよりはスピード重視を重視したニュース記事に近いものが多いと思います。
もし蒸留酒を専門に勉強するのであれば The Spirits Businessも良いと思います。

蒸留酒(ラム、ジン、ウィスキー等)に非常に強い情報源です。
WSET Diploma in Wineから受験される方はひょっとすると使う必要はないかも知れません。
The Millionaires’s ClubWorld WhiskiesRum SupplementAnnual Brands Report等は無料で入手可能な唯一無二の情報源です。


ここまでが私が頻繁に参照した情報源です。
以下はこれからは特に重要になる可能性があるものです。


Decanterと同系列のようです。中国全土のワインの説明があることが強みです。
中国の生産地が与える影響力が大きくなるとより重要な情報源になると思います。


これらの他にも Jancis Robinson.comHarper は割と受験生から人気が高いのではないかと思います。
私はなぜかほとんど読みませんでした。
Jancis Robinson.com は登録すると Oxford Companion to Wine の電子版にアクセスできます。ウェブの記事も詳しいのでしょうが、これこそ雰囲気が合わなかったしか思えません。

逆に私が有料登録したのはDecanter Premiumです。世界のどの地域についてもバランス良く網羅されている気がしたためです。

The New York TimesThe Guardian などの新聞を基軸とした情報源はやはり記事が追加される頻度と情報の蓄積量で劣ります。
たまに「良いな」と思える記事はありますが、有料登録をするには(ワインに関しては)得られるものが少ないかもしれません。
ワインだけでなく英語の書き方も勉強したいという場合は、個人的には NYTをお勧めします。

ワイン情報誌以外にも有益な情報源はたくさんあります。
生産者協会のサイトや機関(OIV、INAO)…etc です。時間がない人には移動中にも聴けるポッドキャストも役にたつと思います。
それらについてはまた別の機会に書いてみます。