2017年12月29日金曜日

シャンパーニュに関するヴィンテージについて

ヴィンテージ・ワインとは、ある特定の年に収穫されたぶどうを使って製造されたワインのことを言います。

細かく言えば、生産地域の法規によっては若干は他の年の果汁が入っても良いケースがあります。今回はそれについては深く取り上げません。

シャンパーニュについてもヴィンテージという言葉が意味することは同じです。ただし、シャンパーニュに関しては特有の事情があり、若干意味合いが異なるケースがあります。


【ヴィンテージとノン・ヴィンテージ どちらが多数派なのか?】
もしお時間があれば、酒屋さんに置いてあるワインとシャンパーニュのラベルを観察してみて下さい。
おそらく、通常のワイン(スティルワイン)は収穫年の表記があるものが多いと思います。

一方でシャンパーニュはどうでしょうか?

おそらく違うかと思います。よっぽど高価格帯のお店でなければ、記載がないノン・ヴィンテージ(N.V))が多数派であるはずです。

ポートやマデイラ等の一部の酒精強化と似ているのですが、通常のスティルワインと比較するとシャンパーニュは単一の年に収穫されたぶどうからワインを作ることが難しいのです。


今日は短いですが、この辺で一度おしまいに致します。
シャンパーニュについては何度かに分けて、今後も書いてまいります。

Tra la Terra e il cielo Barbera d’Asti Superiore 2013

【外観】
深いガーネット。グラスの縁はレンガ色になっており、熟成されたワインである印象を受ける。

【香り】
エレガントで芳香性が強い。それでいて様々な香りの要素があり、全体として複雑性に富むワインになっている。やや第三アロマが先行しており、ジビエ、タバコ、肉、血、スパイス入りの燻製ハム。果実としてはダークチェリーやプルーン。その他に深入りのトラジャコーヒー、インク、ヴァニラそして微かな清涼感につながるメンソールのニュアンスもある。香りを構成している要素が多く、複雑である。
外観と同じく、酸素とある程度接触している状態での熟成が長いような印象を受ける。

【味わい】
オフドライ。なんだこのスタイルは!知らない!
度数も高い。温暖地域で栽培し、なおかつ収量制限を課したり選別を厳しくしているような印象を受ける。タンニンは量的には少ないが持続性があるがある。性質としては柔らかい。全体として複雑性に富む。酸はやや低い。
複雑性に富む。全体としてのまとまりがあり、バランスが取れている。酸は相対的に少ない様に感じるが(おそらく甘さと高い度数に起因する)、全体の印象は良い。

【テクニカル】
●度数:14.5%
●収穫:収量は5hl/ha。手摘みで行なう。
●発酵:28℃でステンレスタンク内で行なう。
●熟成:225lのバリックで15-20ヶ月間熟成する。瓶内熟成は6ヶ月。

【事後考察】
品種のバルベーラの個性ですが、酸が高く、タンニンは少なめになることが多いとされる品種です。かつてはネッビオーロの陰に隠れて目立たない存在でしたが、最近はフレンチオークを使用した長期熟成等により品質が向上していることで知られています。
まさに今回のワインはそういうスタイルのワインだったわけでした。

【参照】
1. メーカーサイト
http://www.tenutalameridiana.com/
2. Robinson, J. Barbera. Learn about wine. [online] Available at https://www.jancisrobinson.com/. Accessed 29 Dec 2017.
3.

2017年12月25日月曜日

Klein Constantia Riesling 2015

【外観】
中程度のレモン色。透明性が高い。
泡が顕著にある。

【香り】
やや強い芳香性がある。甘やかな要素としては青リンゴ、蜜蝋。ミネラル感のものとしては濡れたウール、ペトロ香が取れる。微かにスペアミントのような清涼感があるハーブのニュアンスもある。相対的に果実の香りは多くない。

【味わい】
ボーンドライ。度数が非常に高く、ドイツのリースリングにしては高すぎるように感じられる(なんと13.5%もあった!)。それでいて酸はしっかり残っており冷涼生産地を連想する。度数も酸も同程度に高いため、アンバランスな印象はない。後味は強い酸とグレープフルーツの皮を噛んだような苦味が微かに残る。

【感想】
南アのワインは比較的酸が弱くなる傾向がある印象だったので、リースリングとは言えどもこんなに酸が残っているとは思っていなかった。裏ラベルの情報によると生産された地域が南アの中でも冷涼なCape Peninsulaであるのと、2015年は特に冷涼なビンテージだったとのことです。
後味のグレープフルーツのような苦味は何から生じるのか?
発酵前浸漬の期間が長かったり、プレスの圧がきつかったり、発酵温度が高いと苦味の原因になる成分が多くに抽出されそうです。このワインの苦味が悪いという訳ではなく、それがこのリースリングの個性になっていると思います。石を舐めたようなミネラル感も感じられます。

2017年12月24日日曜日

Trimbach Gewurztraminer Selection de Grains Nobles 2001

【外観】
透明な淡い琥珀色。
粘性は高い。

【香り】
香りは非常に強い。蜂蜜、蜜蝋、マーマレードジャムといった貴腐菌由来の要素が明確に表れている。果実の要素としては熟れた花梨やパイナップル。そのあとに微かに爽やかなオレンジピールのような苦味も感じられる。清涼感があり微かにラベンダーのようなハーブのニュアンスもある。

【味わい】
甘口であるが酸とのバランスが取れており、甘ったるくない。アルコールも同様にやや高いが、他の要素との調和が取れており目立っては感じられなかった。フルボディーでパンチがある果実味が支配的ですが、複雑性もあります。

【考察】
ゲベルツトラミネールは糖度が上がりやすく酸が低くなりやすい品種と言われることが多いのです。それでもアルザスの気候ではそういったスタイルに仕上がらないことも多々あります。また醸造過程での発酵温度がもたらす影響も少なからずあり、それが他の地域のゲベルツトラミネールとの違いの原因になっていると指摘されることもあります。

ゲベルツトラミネールの特徴的な香りの要素としてライチやジンジャーといったものが挙げられます。これらはトロピカルフルーツやスパイシーさを意味する言葉だと思います。今回のワインについてはそこまでの要素は感じられなかったかなと思うのですが、これについては今後別の機会に書いてみます。



2017年12月23日土曜日

ワインの表現に使われる花の香りについて


ワインの香りや味わいを表現するということは非常に難しいことだと思います。

どのような言い回しをすれば自然に伝わるのか?
どのような言葉(花、植物、果実、食べ物、発酵物、化学製品等)を使えば伝わりやすいか?

このあたりの悩みはワインを表現する方にとって、避けることができない悩みかと思います。

「これさえやればうまく表現できるようになる」と言える特効薬はないかと思いますが、さまざまな物の香りを知ることは香りの表現力を向上させるための助けになるかと思います。

今回はその中でも花について書いてみます。WSETでは加点対象にならない花もあるかもしれませんので、そのあたりはご自身でご検討をお願い致します。


【白い・黄色い花】
ユリ(lily)、スイカズラ(honeysuckle)、オレンジの花(orange blossom)、ジャスミン(jasmin)、アカシア(acasia)、カモミール(camomile)マリーゴールド(marigold)、キンモクセイ(osmanthus)、菊(crysanthemum)

【赤い花】
バラ(rose)、ゼラニウム(geranium)、カーネーション(carnation)、ハイビスカス(hybiscus)、コスモス(cosmos)

【青・紫の花】
スミレ(violet)、イリス(iris)、ラベンダー(lavender)、紫陽花(hydrangea)


数を比較してみると白・黄の花の数が圧倒的に多いことがわかりますね。

是非、お気に入りの伝わりやすい単語を見つけてみてください。

マスカット ベリーA樽熟成 2015年 熊本ワイン - Muscat Bailey A Barrel aged 2015, Kumamoto Wine

【外観】
やや淡いルビー色。

【香り】
香りの強弱について言えば大人しいように感じるが、芯が通っていて優雅。摘みたての赤い花(スミレ、バラ、イリス)、フレッシュハーブ(シソ)、同じくフレッシュな果実(サワーチェリー、ラズベリー)などの香りが取れる。非常にバランスが取れていて、オーク由来の要素は自然に全体の中で溶け込んでいる。たくさんのフレッシュな花・ハーブの要素があるがそれらが調和して融合しているのがすごい。

【味わい】
辛口。味わいもバランスが取れていて出すぎた要素がなく、全体としてまとまっている。酸はやや強い。タンニンはやや低いが、これもまた他の要素とバランスが取れている。お吸い物のような程よい旨味がある。

【感想】
飲んだ瞬間に今まで飲んだことがないスタイルのワインだと感じた。方向性としては冷涼地方のピノ・ノワールとJura地方のPoulsardの中間のようなスタイルかと感じた。驚いたのはマスカットベリーAの独特の甘やかな香りがあまり強くなく、かつ他の要素とバランスよく調和していることでした。
シャルドネから作られる菊鹿シリーズが有名かと思いますが、個人的にはこのシリーズにも期待しています。正直に言えば、日本のワインに対する価値観を変えさせられたワインになりました。フランスのワインのコピーでは全くなく、マスカットベリーAの個性を残しつつここまで完成度が高いワインができるということを思い知らされました。



[Appearance]
The wine is slightly pale garnet.

[Aroma]
If I say about the strength of the aromas found on this wine, it is not that much and is just modest. However the stylistic uniqueness of this wine inclined me to take it rather elegant.
Primary aromas found include freshly-picked red flowers(violet, iris), fresh herbs(perilla), fresh red fruits(sour cherry, raspberry). There are hints of rose and vanilla which both seemingly have derived from contact or aging with oak. Above said aroma characters are well-integrated giving the impression that the wine is very balanced. Again what I appreciate is that there are many aromatic components such as fresh flowers, herbs and other and at the same time these are well-integrated.

[General impression]
Soon after swallowing the very first sip of the wine, I realized that I was facing to a type of wine that I have not encountered many times before. I personaly found some similarities to Pinot Noir made in cold regions or Poulsard in Jura, or a style half way between them might be the best word of substitute to represent this wine. Once again, I was honestly surprised at both less noticeable scents that are usually linked to Muscat Bailey A and the integration between varietal aromas and other aromatic characters.
I think Kikuka series made from Chardonnay are more well-known however I expect a good success of this wine in future. To be really honest, this is the wine that changed my general perception about Japanese wine made from Muscat Bailey A. Apart from being a copy of French wine, this high quality of the wine indicated the possibility that with varietal uniqueness of Muscat Bailey A, great wine may be made in Japan too.

【参照】
1. 熊本ワイン ウェブサイト

2017年12月21日木曜日

Mercurey Blanc Les Obus 2014 Domaine de la Monette

【外観】
やや濃ゆいレモン色。粘土は中程度。
色の濃さはぶどうの完熟度が高いか、もしくは樽での発酵・熟成が影響した可能性がある。
照明で照らすと液中に細かい結晶があるように見える。

【香り】
香りが強い。熟したマンダリン・オレンジのような純粋な果実の中に少しマーマレードのような複雑みも感じられる。ハーブや花としてはジャーマン・カモマイル、マリーゴールドとこちらもシャープというよりは丸みが有りつつも芳香性が強い花が連想される。ビスケットを焼いたような香ばしさやバニラのニュアンスもあり、いろいろな方向性の要素がある。熟成のニュアンスはまだ顕著ではない。やや度数があるように感じる。

【味わい】
辛口。度数はやや高いか中程度。酸味はまろやかだが量的には中程度からやや強い。酸味がありつつ、度数も低くない。ぶどうが栽培された環境としては日中は日当たりがよく気温が上がるものの、夜にはしっかり気温が下がるような気候かと思われる。

【テクニカル】
●品種:シャルドネ
●度数:13%
●熟成:500lの木樽で行う。

MercureyはCote d’Or南方にあるCote Chalonnaise地区に属しますが、赤ワインの方が有名かと思います。やや土地が隆起しているため、より北にあるとCote d’Orよりは温暖であるにしてもCote Chalonnaiseの中では気温が上がらない場所です。結果的にワインにはフレッシュさが残りやすくなります。夏が暑く秋に乾燥しているため、収穫まで の期間が長くなります。このため甘味、もしくは度数が高くなりやすい可能性はあるかと思います。
またこのワインの場はLieux-diesと呼ばれる優良地域で栽培されたぶどうから作られています。