2017年11月30日木曜日

【テイスティング】Rimapere Pinot Noir 2015

【外観】淡いルビー。液体の縁の色はレンガ色になっておらず、まだ若い印象。

【香り】
インパクトがあり香りはやや強い。赤系果実(いちご、レッドチェリー)、ポプリのバラ、シソ、調和がとれており出過ぎていないバニラ。アルコール感が強いように感じる。典型的な熟度高い系ピノ・ノワールの特徴が明確に表現されいる一方、ぼってりと熟れすぎているような印象は受けない。バランスが取れている。
特に飲み始めは第3アロマは感じられない。時間が経っても存在感は限定的。果実味と花の要素が支配的で、全体的に親しみやすいスタイルにまとまっている。

【味わい】
安心するような甘みと果実の適度な完熟感があり、逆に酸は円やかでタンニンは柔らかく少ない。全体的に飲みやすい印象を与えている。相対的にアルコールが高い様に感じる。


【テクニカル】
品種:ピノ・ノワール100
度数:13.5%
●Brix:平均 23.5
収穫量:53hl / ha
除梗:60
全房:40
発酵:野生酵母によって行う。
木樽:フランス産バリック(新樽25%)
熟成:9ヶ月間
清澄: 行わない

ニューワールドのピノ・ノワールの個性が明確に表現されていて、そういう意味では個性があるワインである。それでいて熟れすぎた感がなく優雅さもある。



2017年11月27日月曜日

ワインの香りの原因物質

昨今、ワインの香りを表現する上で様々な化学物質の名前が語られるようなっています。

MP、ピラジン、フォクシーフレーバー等、それって一体どんな物質から生じる香りなの?
そもそも、どんな物質であれば臭いを生じるの?
この辺りを理解できれば、ワイン通の間で頻繁に語られるあの意味不明な用語の意味を読み解く手助けになるのではないでしょうか。

まず、どのような物質があれば人間は臭いを感じるのでしょうか?これが参照1の導入部で書かれている内容です。

重要なのは臭いとして感知されるためには、その物質の分子が蒸発(もしくは、個体から直接気体に変化(昇華))できるほど小さくないといけないということ。例えばデンプンを調べてもらうとわかるかと思いますが、輪っかのようなグルコースが無数に繋がっている状態になっています。これでは蒸発は出来そうになく、結果的に臭いを生じなさそうです。またもう一つの要点は、その小さい分子が親油性であることです。

【要点】
臭いの原因物質は、
・その分子が気化(もしくは昇華)するくらい分子量が低いこと。また、
・油と混じりやすい(親油性である)こと。
※2つ目については分かりにくいかもしれないので、気になる方は親油性・親水性を決定する要因である極性という概念について調べてみてください。

この条件を満たす物質は非常にたくさんありそうですよね。
これがワイン業界で耳にする化学物質の名前の多さの原因です。

参照2では、より具体的にワインの世界で語られる香りの原因となる物質群が紹介されています。ただし、ここに出てくるピラジンやチオールといった名称はあくまで総称で、個々の物質までの話は概ねされていません。
基本的に、ワインを楽しむためであればこのレベルの知識があれば全く問題はありません。おおまかに、こういう名前の物質群はこんな特徴があるんだな、という理解だけあれば十分です。

さらに詳しく、ワインの香りの原因物質の構造まで記載されているのが参照3です。
化学に詳しい方はむしろここまで見えた方が極性・官能基等が比較できてしっくりくるかもしれません。日本語で読めて、かつ満遍なく網羅しているという点で優れた資料だと思います。


[Reference]
1.
Cotton, S.(2009). If it smells - it’s chemistry. Royal Society of Chemistry. Available at:https://eic.rsc.org/[Accessed 26 Nov 2017]
2.
Puckette, M.(2015). Where Wine Flavors Come From: The Science of Wine Aromas. Wine Folly. Available at: http://winefolly.com[Accessed 26 Nov 2017]
3.
Nami.(2013). ワインの香り評価用語. におい・かおり環境学会誌. [online]. Available at:https://s3.amazonaws.com/[Accessed 26 Nov 2017]

2017年11月25日土曜日

ワインの起源はどこなのか?

ワインの起源はどこなのか?現在の研究では以下の通りとされています。

参照1Wine Follyでは簡単にぶどうが生まれたとされる地域と、その後にぶどうが進んだ道すじについて説明されています。

おおまかに言えば、Vitis Viniferaと呼ばれる品種の原種はコーカサス山脈(Zagros Mountains)やザグロス山脈(Zagros Mountains)の周辺地域で誕生した。その後人間の移動にともなって南や西に進み、やがて地中海に達した。
Wine Follyの地図はわかりやすいため一見の価値ありです。

Wine Follyの記事によれば現在知られている中で最古のワイナリーは紀元前4100年前ごろに作られたもので、現在のアルメニアに位置している。このワイナリーが発見された場所では今でもAreniという品種から赤ワイン
作られている。この品種が最古の品種であるかは不明です。

参照2New York Timesに最近掲載された記事です。この内容はワイン愛好家の間ではある程度話題になったかと思います。

簡単言えば、グルジアにある紀元前6000年ごろの2つの集落から割れた土器が見つかり、その中からワインの跡が発見された。これがユーラシア大陸のぶどうから作られたワインの最古のものとされています。

ただしこれとは別に、中国において更に古い紀元前7000年ごろものと思われる野生ぶどうを含んだカクテルの様なものの痕跡が見つかっている。今回の発見では純粋にブドウだけを発酵させたワインが作られた痕跡が見つかったため注目を呼んだわけです。

さらに詳しい文献が読みたいという場合、参照2の中に登場するPatrick McGover氏の論文がweb上で公開されています。それが参照3になります。

参照3によればワインの跡が発見されたNear East地域(西アジア)では氷河期以降の紀元前62004200年ごろ気候の温暖化のため特に一年を通した定住が進んだとされている。その過程で穀物や果物の栽培に繋がったとされている。

どの記事も掻い摘む程度しか読み込めていないのですが、後々に気になることがあった際の道しるべとして書き残しておきます。
絶対忘れそうな気がしますが。



[Reference]

  1. Puckette, M. (2017).  Where Did Wine Come From?. Wine Folly. Available at:http://winefolly.com[Accessed 25 Nov 2017].
  2. St. Fleur, Nicolas.(2017). Wine From Prehistoric Georgia With an 8,000 Year-Old Vintage. The New York Times,[Online]. Available at:https://www.nytimes.com/[Accessed 25 Nov 2017].
  3. Mcgovern, P. (2017). Early Neolithic wine of Georgia in the South Caucasus. Proceeding of the National Academy of the United States of Aerica. Available at:http://www.pnas.org/[Accessed 25 Nov 2017].

2017年11月23日木曜日

Domaine Thomas

WSETの勉強仲間からオススメされたニュージーランドのピノ・ノワールの生産者がDomaine Thomasだった。

生産者のWebサイト読みながら思ったことはを忘備録として書き残す。


Domaine Thomas
セントラルオタゴ(ニュージーランド)とジュブレシャンベルタン(フランス)の二箇所でワインを生産する家族所有のワイナリー。ぶどうの品種はピノ・ノワールのみ。


【セントラルオタゴ(Central Otago)】
位置情報
・緯度はおおよそ南緯45°
比較のために日本の地理について言えば、最北端の択捉島が北緯45°に位置する。
英語で緯度を表記するとき、例えば北緯45°に位置すると言う場合、"at a latitude 45° north"となる。" ° "の読み方はディグリー。ちなみに温度を言う場合は、厳密には℃(ディグリー セルシアス、もしくはディグリー センティグレード)や℉(ディグリー フェレンハイト)と言った方が誤解がない。
・冷涼な産地だが、ピノ・ノワールにはこの温度帯が適しているとされる。温暖な気候帯ではジャムの様な行きすぎた甘さが出るワインが出来てしまう可能性がある。

地形
・畑は周辺地域より高地に位置しており、その中でも別々の位置に4つの畑を所有している。全ての畑の個性は異なる。

栽培方法
・ピノ・ノワールの中でもクローンはPommardDijonのを栽培している。
Pommardはワイン新興国でよく流通している。Dijonはブルゴーニュ由来で人気が高い。
対照的にPinot Droitと呼ばれるブドウの粒が大きく生産量が多いクローン群もあるおそらくサイトにPommardDijonのクローン名が明記されると言うことは、そう言ったクローンは使っていないということを強調したいと思われる。

製造工程
・製造上のコンセプトはできる限りセントラル・オタゴの風景や気候を反映したワインを作ること。人の手による介在を出来る限り少なくする。
・果実味とバランスを出すためフランス産オーク樽を使用する。


【ジュヴレ・シャンベルタン(Gevrey Chambertin)】
位置情報:
・こちらも北緯は高く47°
セントラル・オタゴとは対照的に、こちらの生産地は何世紀にもわたってワインが生産され続けてきた伝統生産地域である。そのため過去に修道士たちによって蓄えられた細かい地域区分ごとのワインの個性についての膨大な情報がある。

地質:
・石灰石と粘土。岩と軟体生物の化石も多い。
水はけの良さと適度な保水効果があるとされる組み合わせ。
・長い年月の間に生じた土の侵食のため、畑の上部半分には他のAOC格付が与えられている畑から取得した土をくわえている。

栽培:
・樹齢は80100年のものが多い。一部には新しい木も植えている。

醸造:
100%除梗する。
・低温での浸漬を行う
・発酵後、18ヶ月間フランス産オーク樽で熟成する。新樽100%。
・フィルターによる濾過はしない。
コンセプトはセントラルオタゴとは同じで人による介在をできるだけ少なくすること。


【参照】
メーカーのWebサイト



2017年11月21日火曜日

【テイスティング】Corcova Reserve Syrah 2012

【外観】
深いルビー。やや赤みがかっている。

【香り】
香りはやや強い。赤・黒系果実、杉、肉、インク、ジビエ、きのこ、要素が多く非常に複雑。アルコールが高い印象。

【味わい】
非常に深い。酸はやや強い。アルコールは高い。タンニンはしっかりあるが柔らかい。辛口だが若干の甘みも感じられる。複雑性に富んでいる。メンソールの様なハーブのニュアンスも感じる。
後味は微かにえぐみの様な苦味が残るが、悪い要素ではない。品種の個性か。
果実味が強く、ぶどうの熟成度も高い。多少スパイシーだが、それが支配的なワインではない。バランスが取れている印象。アタック
強いだけでなく、余韻まで味わいの複雑さが持続する。

【考察】
はっきり言って検討がつかない。多少スパイスが出て果実味もあり、それでいて漆黒の様な色味ではなく若干赤みが出る品種。タンニンは強くない。難しかった。

【テクニカル】
度数:14.8%
発酵:コンクリートタンク
熟成:ルーマニアオークで11ヶ月間

【テイスティング】Barbera d'Alba 2012 Giuseppe Cortese

【外観】
漆黒。粘性が高そう。

【香り】
フレッシュな果実。ブルーベリー、ブラックチェリー、プルーン、インク、除光液、バラ、スミレ。

【味わい】
果実が全面に出たスタイリッシュなワイン。酸味は非常にに強い。度数は高い印象を受けるが、いろいろな要素があって断定しにくい。ローズ、クローブ、のようなオーク由来の特徴あり。果物をかじった時の様な新鮮さを感じる。低音発酵、酸素との接触が少なそう。

【全体の印象】
フルーティでありながら要素が多く複雑性に富む。熟成からくる特徴は支配的ではなく、まだまだ楽しめる。タンニンは強すぎない。

2017年11月19日日曜日

【テイスティング】飛鳥ワイナリー Cabernet Sauvignon 2013

【外観】
深いガーネット。淵がレンガ色に近づいている。

【香り】
やや強い。杉、カシス、黒系果実、スパイス(クローブ、シナモン)凝縮された果実味とバランスが取れた複雑性が感じられる。カベルネの個性である草っぽい特徴は明確に感じられる。少しだけバニラもある。

【味わい】
辛口。やや高い酸味。タンニンは中程度でソフト。カベルネ由来の青さは残っている。他国の銘醸地と比較すると強烈な果実味や際立った凝縮感はないが、バランスが取れている。強いて言えば酸味と青さが強いか。日本でもこういうワインが出来るのかと感じる。

【テクニカル】
度数:12
熟成:オーク樽。
濾過:濾過なし。生詰め。
収穫年:2013年。大阪にとってはビッグビンテージだったとのこと。

生詰めというのは生産地域周辺でしか手に入りにくい物かと思う。日本ワインは水っぽいとか言われることもあるけど、これは濾過なし・生詰めということもあってか、そんなことはない。
アルコールが高くなくバランスが良く、酸味が際立つスタイル。品種の個性が明確で樽由来の要素はそれほど多くない。バランスのワイン。昔のボルドースタイルに近いのではないかと個人的には思う。

【テイスティング】Ruche di Castagnole Monferrato DOCG 2012, Ferrarois Agricola

【外観】

中程度のルビー色。


【香り】

中程度であるが明確に胡椒の香りが際立っていて支配的。これは品種での特徴だと思われる。黒・白胡椒、シナモン、ユーカリ、セージ、ヴェルガモット。エスニックでスパイシーな印象。赤系果実があるけど、その印象はスパイシーさと比較すると強くない。


【味わい】

辛口。酸味は強くなく中程度。度数は中~やや高い。ボディー、味わいの強さは中程度。スパイスの要素が際立って高い。ただしこれが個性だと思われる。

合いそうな食べ物を探してみたい面白いワイン。


【テクニカル】

品種:Ruche 100

仕立:長いコルドン上で短梢剪定。

発酵:Rucheの個性を残すため、温度管理が可能なステンレスタンクで行う。

地域:Astiの北東部。海抜220250m

熟成:ステンレスタンクないで熟成

濾過:無濾過

ぶどう本来の個性をより引き出し、それ以外からくる要素を少なくしている感がある。


【メーカーwebサイト】

https://www.ferrarisagricola.com/en/home/

【テイスティング】マスカットベリーA Barrel Aged 2014 熊本ワイナリー

【外観】

淡いルビー。縁にレンガ色の様な色味はまだ出ていない。若そう。


【香り】

香りの強さはやや強い。熟したイチゴ、イチゴガム、パイナップル、レッドチェリー。

カルボニックマセラシオンで醸造しているか、もしくはヴィニフェラではなさそう。

後になってに気づいたが、微かにFoxyな香りがある。それでも上手くバランスが取れていて、全体の印象を壊してしまう程では全くない。


【味わい】

オフドライ。タンニン少(これがCMと考えた理由の1つ)、度数・酸味は中程度。

フレッシュであるけど適度に複雑さもあって、かつ飲みやすい。

少ないタンニン、缶詰のパイナップルや熟したイチゴの香りがあったので当初迷わずガメイを選択。それであればしっかり色が出るはずなのに、それは無視したのがまずかった。


【テクニカル】

今となってはよくわからん。樽熟は長いか。そうだとすると、樽からくる性質が強くなりすぎずバランスが上手く取れている印象。

度数は13

【テイスティング】Torreon de Paredes Cabernet Sauvignon 2016

【外観】

淡い赤(WSET用語ではない)。オレンジの要素はない。

粘性に特別な特徴なし。


【香り】

ビーマンの様な青さが違和感ない程度に確認できる。それでも全体の印象に悪影響を与えるレベルではない。青いリンゴ、柑橘系、いちご。さだまらすぎ。


【味わい】

酸味はやや強い。アルコール、ボディー、味わいの強さは中程度。ほのかな甘さもあるけど辛口として良いとの思う。

フレッシュなところが醍醐味なワイン。カベルネ品種から来ると思われる青さは新鮮さをなお強めていて、良し。粗がなく無難に良い。


【考察】

やや感じられるピーマンぽさカベルネ品種からくるものと思われる。色合いはロゼの中でも割としっかり赤が立っている部類。酸が高く温暖地域で作られたワインではなさそう。色合いが濃すぎる気はしたけど、ロゼ・ダンジュかと思った。

Rose d'AnjouCabernet d'Anjouを比較すると前者の方が残糖が少ない可能性がある。


【テクニカル】

度数:13

総酸量:4.17g/L

発酵:ステンレスタンク

気候:Cachapoal Valleyの高地にあるRengoという街の中心部で作られる。周辺の山に閉ざされていて他地域と比べ冷涼で乾燥している。アンデスの影響に晒される地域。

【テイスティング】都農ワイナリー シャルドネ Barrel Aged 2012

【外観】

濃いレモン色

粘性は高くない


【香り】

強さは中程度。赤いリンゴ、プラム、アプリコット、アカシア、クリーム、セージ

割と複雑な要素がある。ただ、淡い。乳製品の様な香りが微かにある。マロラクティックか?


【味わい】

やや強い酸味。アルコールはやや低い。特に品種の個性が感じられるものではない。おそらくアロマティックな品種ではない。全体的に淡い味わい。アルコールも低いため、酸が際立つ印象を受ける。


【考察】

色が濃い理由を推定できない。品種であればグリ系品種(この場合あり得るのは甲州)、醸造法であれば発酵前浸漬、長期の浸漬、熟成過程での意図的酸化)。もしくはぶどうの完熟度が高くても色が出ることはあるけど、度数が低いことを考慮すると、それはなさそう。

果実の凝縮感がなく、おそらく雨が多い地方で作られてる。


結論として、日本の甲州だと思っていた。吟醸香がないのは違和感がのこるところだった。

マロラクティックをしているシャルドネだということは考えるべきだった。

2017年11月17日金曜日

【テイスティング】Domaine Baud Poulsard 2011

【外観】

やや淡いガーネット。品種の個性か。


【香り】

強さはやや弱め。ヴァイオレット、レッドチェリー、ドライフルーツ(いちご)さくらんぼ、森の枯葉、クローブ、シナモン。


【味わい】

オフドライ。酸味は中程度、高くはない。味わいは中程度。フルーティーでややシンプルなスタイルに作られている印象を受ける。タンニンは少ない。ただ、存在感はあるタンニンが少量ある感じ。味わいも淡く、関西の優しい出汁が程よく利いたうどんに雰囲気近し!度数はそれほど高くない。

甘さから考えて、糖度が上がりやすい品種か。また色調は赤に近く色の濃さは淡い。ピノ・ノワール、サンソーあたりがくさいと思った。


【テクニカル】

品種:Boulsard 100%

度数:12.5%

作付け密度:6,500/ha


Poulsardはジュラ特有の品種で皮が薄くタンニンが少ない。手摘みで収穫し除梗した後ステンレスタンクで発酵させ浸漬期間は10日間。


2017年11月16日木曜日

【テイスティング】Fattoria Monticino

【テイスティング】
外観:色調の濃さは中~若干淡い。色味はガーネット。縁がレンガ色になることはなく、長い熟成を経た印象はない。
香り:香り香りの強さはやや強い。さくらんぼ、レッドチェリー、バラの花、若干のバナナ。埃っぽく腐葉土の様な第3アロマもある。ビオか?
味わい:ドライ。酸は強い。タンニンは柔らかく中程度。アルコールは若干高い。果実味は熟れすぎた感じはなく、すっきりとした果実がある。ただし、誇り・土っぽさは香りを取った際より強く感じる。第3アロマが発達していてある程度の複雑さがあるためボディはやや強く感じられる。

【考察】
・色調が若干淡いのは品種の個性か?もしくは熟成によって色が落ちたのか?
多少の熟成感はあるが、どちらのためかわからない。
・スパイスの要素は少なめ。スパイス香が前面に出る品種ではなさそう。第3アロマの様な香り(土、誇り、腐葉土)を強く感じる。ややビオっぽい印象。洗礼さも追求スタイルではなさそう。
・果実味は熟れすぎることなく、味わいはドライ。また酸は強い。栽培地域はイタリア、ルーマニア、フランス、スペイン、ポルトガル等。

【ワイン】
Fattoria Monticino Sangiovese Superiore 2014, "Zero Salfiti Aggiunti"

【物理的要因】
生産地域:Emola(ボローニャ)
植え付け密度:5000/ha
樹齢:12
発酵:2025 ステンレスタンクで発酵。


振り返ると、誇りっぽさサンジョベーゼに現れることがある特徴だった。赤系果実もサンジョベーゼの品種の個性と合致している。SO2の含有量が少ないため、色々特殊なのだろう。SO2は色を安定化させる。それがこのワインには少ないことは間違いない。