2017年12月20日水曜日

Noto Rosso Marabina 2014

【外観】
やや淡いルビー色。透明性がある。


【香り】
ややアルコールっぽく感じる。赤ワインからは嗅いだことがない程シュールリーに要素がある(ビスケット、発酵前のパン)。摘みたてのハーブや赤い花(スミレ、ハイビスカス、ローズ)が最初に感じられて、そのあとに控えめながら赤系果実(さくらんぼ、熟しきってないイチゴ)が出てくる。冷涼な気候を連想する。樽からくる要素(バニラ)は強くない。


【味わい】
辛口。酸味はしっかりと感じられる。タンニンは中程度で、こちらも存在感があり硬さもまだ感じられる。一口めを飲むときに喉元が暑く感じられ、度数はやや高い。ただし酸がしっかりしているためボディーは中程度のように感じる。フレッシュな赤い花、赤系果実の要素が強い。微かな植物っぽさがあり、そのためむしろ新鮮さが強調される。若干のスパイス(ブラックペッパー、クローブ)もあるが相対的には存在感は強くない。


【テクニカル】
●度数:14.5%
●収穫年:2014年
●土壌:主に石灰質土壌。
●畑の向き:北東、西、北。
●標高:海抜44〜70m。
●熟成:フランス産の大樽(60hl)でヶ月間行う。


【参考情報】
●メーカーサイト:http://www.marabino.it
●DOC Notoについて:https://italianwinecentral.com/denomination/noto-doc/


【考察】
●外観について:
やや淡いルビー色。Nero d’Avolaは基本的には色が濃くなる傾向が強いと言われることが多いです。
●度数について:
14.5%という数字は飲んだ印象からすると高く感じた。おそらく類まれな高い酸味があったため、度数が正確に取れなかった。結果的にボディーも軽く感じた。
ただし、メーカーサイトによると夏はシチリア島の中でも最も気温が上がる場所の1つで作られているのとことで、度数が上がりやすい環境ではあるようです。
●酸味について:
Nero d’Avolaという品種は酸味よりは熟した甘味を伴う赤系果実の要素が出やすい品種かと思います。その割にはこのワインの酸味は高く、予想を裏切られる結果となりました。
●地理的条件について:
夏はあつい地方ですが海に近くまた畑の向きも関係し、そこからできるワインの印象を変えていると思われる。海に近い場合、海風にさらされる可能性が高く、気温は和らげられる傾向にあります。また畑の向きは北半球では北方面を向いている場合、果実の完熟度を抑える方向に働きます。この辺がこのワインの特徴を決定する要因としてあるのではないかと思います。
●製造全般について:
ビオロジックです。これについては難しい議題なので、また後ほど扱うことにします。

ブラインドテイスティングを終えてみて、面白いワインだと感じました。シチリアという印象はあまり強くないですが個性的であり、そもそもエレガントな印象が強いワインであるため好印象でした。

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